今、あなたはうつ病への根本的なアプローチとして、鍼灸や指圧マッサージに興味を持ち、この記事を読んでいることでしょう。私たちが目指すのは、うつ病と心の健康:鍼灸・指圧マッサージで探る根本原因を深く理解し、薬物治療だけに頼らない解決策を見つけることです。まず、多くの人が混同しがちなうつ病とは?うつ病とうつ状態の違いを解説し、「うつは心の風邪」キャンペーンがもたらした功罪について深く掘り下げます。
現在の精神疾患治療の現状と世界の潮流(標準治療の問題)を見ると、対症療法中心の治療には限界が見えています。特に、服用中の薬が原因となる薬剤惹起性うつ病とは?リスクの高い医薬品を知り、さらにはステロイドによる脳の萎縮とうつ病発症のメカニズムを理解することは、薬物依存から脱却するために不可欠です。
当院では、根本解決のために食と心身の整え方を重視しています。最新の遺伝子解析の結果と吉野先生の「四毒」理論に基づき、砂糖の歴史と奴隷化の戦略・日本における砂糖の歴史を知ることで、うつ状態からの脱出には甘い物(糖質)をやめる重要性が明らかになります。そして、五悪の影響と食生活がうつ状態に与える影響を理解し、東洋医学を活用したうつ病のリスク判断と体質を把握することが第一歩です。
この記事では、萎縮した脳を元に戻すための根本的な治し方と病気の3過ぎの影響を避けながら、体質を改善していく方法を具体的に解説します。そして、心身を整えるための鍼灸治療の役割と、肉体的な緊張を緩める指圧マッサージ治療の役割について、詳しくご紹介していきます。この情報が、あなたの根本解決への確かな一歩となれば幸いです。
この記事のポイント
- うつ病は客観的な検査がないため、多くは「うつ状態」であり薬を必要としないこと
- 向精神薬に頼る標準治療の構造的な問題と、世界の治療トレンドが運動・瞑想など非薬物療法にシフトしていること
- 特定の医薬品(ステロイドなど)が脳を萎縮させたり、うつ病を誘発したりするリスクがあること
- 鍼灸・指圧マッサージが心身をリラックスさせ、食生活の改善(四毒抜き)を通じて根本解決を目指すこと
うつ病と心の健康:鍼灸・指圧マッサージで探る根本原因

うつ病とは?うつ病とうつ状態の違いを解説
多くの方が日常的に使用する「うつ」という言葉は、医学的な「うつ病」と「うつ状態」という、まったく異なる二つの状態を混同している場合があります。ここで両者の違いを明確にしておきましょう。結論から述べますと、私たちが人生で経験する落ち込みの多くは「うつ状態」であり、これは本来病気ではありません。うつ状態とは、悲しい、落ち込んでいる、喪失感があるといった、一時的な感情の起伏のことを指します。たとえば、愛する肉親やペットの死、失恋、会社での異動や仕事上の失敗といった、人生で遭遇する喜怒哀楽といった大きなストレスによって引き起こされる感情的な反応です。このような落ち込みは、人間であれば誰にでも起こりうる、理解可能な正常な反応なのです。抗うつ薬のような薬物に頼るのではなく、時間や自身の反省、学びによって自然に回復に向かうべきものだと考えられます。
一方、うつ病(大うつ病)は、顔を見ればわかるほど深刻で、ベースが異なる病態を指します。抑うつ気分や興味・喜びの喪失、意欲の低下などの症状が「一日のほとんど、ほぼ毎日、二から三週間」といった長期間にわたって続き、社会的な機能の障害を引き起こす重症な状態です。このような病的な状態については、適切な対処が必要となります。しかし、ここで注意すべき点があります。現在、うつ病や精神疾患を診断するための合意された生物学的指標、つまり血液検査や他の客観的な検査が存在しません。つまり、病気であるか否かを客観的に判断する基準がないにもかかわらず、世界中で3億人以上がうつ病と診断されています。繰り返しますが、人生で遭遇するストレスからくる落ち込みを、安易に「うつ病」と診断し、薬物治療を進めることには、大きな問題があるのです。
「うつは心の風邪」キャンペーンがもたらした功罪
1999年頃に展開された「うつは心の風邪」というキャッチフレーズは、多くの人々の心に響き、社会に大きな影響を与えました。このキャンペーンの目的は、精神疾患に対するスティグマ(偏見)を減らし、気軽に精神科を受診できる環境を作ることでした。しかし、このスローガンは、その後の社会に大きな「罪」をもたらしたと言わざるを得ません。
まず、風邪とは異なり、精神的な落ち込みには根本的な治療薬がありません。本来、風邪は安静と栄養で自然治癒するものであり、熱があれば解熱剤などの対症療法しかありません。ところが、「うつは心の風邪」という表現が、「心の不調は薬で治せる」という誤った認識を社会全体に広めてしまったのです。その結果、患者数がキャンペーン前と比較して約六十五倍に激増し、向精神薬の出荷量はなんと千倍にまで増加しました。これは製薬会社に莫大な利益をもたらした一方で、本来は薬を必要としない「うつ状態」の人が安易に抗うつ薬を飲む状況を生み出しました。
多くの精神科医が、患者の人生の解決策を教える代わりに、睡眠薬や抗不安薬を安易に処方する状況も生まれました。また、この認識の結果、新型うつ病のような、単なるサボタージュや甘えに近い状態が「病気」として扱われるようになり、社会全体のモラルや責任感にも悪影響を及ぼしたと考えられます。ここで重要なのは、薬物治療が必ずしも根本的な解決をもたらすわけではなく、むしろ薬物依存や後述する脳の萎縮といった別のリスクを招く可能性があるということです。単純に、安易な薬物治療に頼る前に、まずは生活習慣や根本的な原因を見つめ直すことが求められます。
精神疾患治療の現状と世界の潮流(標準治療の問題)
現在の日本の精神疾患治療、いわゆる標準治療は、いくつかの構造的な問題を抱えていることを認識しなければなりません。多くは、薬物中心の治療に偏重しており、これが世界の潮流から大きく遅れをとっている原因の一つです。たとえば、日本では精神病床数が世界で突出して多く、非常に高い数値を示しています。外国では平均28日程度の入院で済むことが多いにもかかわらず、日本が薬物中心の治療に偏重している現状がここに示されています。
ここで、私たちは日本の精神医療の歴史的な負の側面に目を向ける必要があります。元厚生労働大臣の武見敬三氏の父である武見太郎氏が、1960年代初頭に当時の精神病院を「牧畜業者」と痛烈に批判した事実は、極めて重要です。この言葉が指したのは、一部の精神病院経営者が患者を人間としてではなく、牧場に放し飼いにする牛や羊のように収容・管理し、「儲け主義」の手段として見ている実態でした。当時の保険診療制度は、低い医療技術料と出来高払い制であったため、「薬を使えば使う程、儲かるという仕組み」が病院経営を維持する構造となり、薬物による利潤に頼らざるを得ない状況を生み出しました。
多くの場合、患者が精神科にかかると「薬漬け」になり、長期間の服薬治療へと進むという構造は、この「牧畜業者」と評された営利追求の歴史的な構造と無関係ではありません。安易にメンタルクリニックの門を叩き、薬物治療を進めることが、結果としてこの歴史的な構造に乗せられてしまう危険性があるのです。
一方、世界の精神疾患治療の潮流は、すでに日本とは異なる方向へ舵を切っています。たとえば、イギリスやアメリカでは、向精神薬の使用はすでに場違いなものとなっており、瞑想、運動、カウンセリングが治療の三本柱として確立されています。これらの非薬物療法は、脳の神経細胞を増やすといった生理的な機能改善を促す効果が科学的に証明されているのです。したがって、日本の標準治療が抱える最大の問題点は、薬物治療が対症療法でありながら、患者の尊厳を軽んじる可能性のある営利構造の上にあることです。だからこそ、安易に薬に頼るのではなく、まずはご自身の生活習慣や食生活を見直し、副作用のない根本的なアプローチから心身を立て直すことが強く求められています。
薬剤惹起性うつ病とは?リスクの高い医薬品
薬剤惹起性うつ病とは、その名の通り、医薬品の副作用として引き起こされるうつ病のことを指します。多くの方が、うつ病の原因は純粋な精神的ストレスや脳内の化学物質のアンバランスだと考えがちですが、実際には服用している薬が原因となっているケースが少なくありません。多くの医薬品が、うつ病やそれに近い抑うつ状態を引き起こす能力を持っていることが分かっています。この事実は、薬物治療を進める上で見過ごすことのできない重要なリスクです。
特にうつ病を惹起する作用が知られているのは、いくつかの特定の薬物群です。その一つに、副腎皮質ステロイド製剤(ステロイド)が挙げられます。ステロイドは抗炎症作用や免疫抑制作用が非常に強力ですが、後述するように脳の機能に深刻な影響を与えます。また、インターフェロン製剤も多彩な精神症状をきたすことで知られています。さらに、高血圧の治療に使われる降圧薬の一部、具体的にはレセルピンやベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬などもリスクがあります。特にレセルピンの添付文書には、「自殺に至るようなうつ病が現れることがあるため、投与を中止すること」といった重い警告が記載されています。他にも、アレルギー治療に使われる抗ヒスタミン薬や経口避妊薬、さらには一部の抗生物質(アモキシシリンなど)や最新のタンパク質製剤(アダリムマブなどのモノクローナル抗体製剤)といった多岐にわたる薬が、うつ状態やうつ病を引き起こす可能性があるのです。これらのタンパク質製剤は副作用の種類が非常に多く、ほとんどすべての病気を起こす能力さえ持っていると指摘されるほど強力な薬です。服用中の薬が、ご自身のうつ状態の原因になっていないか、常に注意を払う必要があります。
ステロイドによる脳の萎縮とうつ病発症のメカニズム
副腎皮質ステロイド製剤、通称ステロイドは、うつ病を引き起こす可能性のある薬の中でも、特にそのメカニズムが脳の生理的な変化として研究されています。この薬の長期使用は、うつ病の発症に深く関わる脳の部位、特に海馬(かいば)の体積と機能に、深刻な悪影響を及ぼすことがわかっています。海馬は、記憶や空間学習を司る脳の重要な部位であり、近年では感情や気分調節にも深く関わっていることが示されています。
結論として、ステロイドを長期的に使用すると、この海馬が物理的に萎縮してしまうことが複数の研究で確認されています。たとえば、ある研究では、プレドニンというステロイドを約九十日間長期投与した患者グループを健常者と比較したところ、ステロイド使用者グループでは海馬の体積が健常者よりも七パーセントから九パーセントも小さくなっていることが判明しました。海馬の萎縮は、まさにうつ病患者に共通して見られる特徴の一つです。ステロイドを服用することで、薬物が直接的または間接的にストレスホルモン(コルチゾールなど)のバランスを乱し、結果的に海馬の神経細胞がダメージを受け、脳の萎縮を引き起こしていると考えられます。このように、薬剤が脳の物理的な変化を通じてうつ病を発症させるという事実は、うつ病が単なる「心の病」ではなく、薬物による身体的な影響によってもたらされるケースがあることを強く示唆しています。ステロイドの投与量によっては、わずか一日40ミリグラムを超える量でうつ病のリスクが高まり、また投与開始から数週間で症状が出現する例もあるため、その使用には慎重な判断が求められます。
食と心身の整え方:うつ病に対する鍼灸・指圧マッサージの役割
遺伝子解析の結果と吉野先生の「四毒」理論
最新の遺伝子研究では、うつ病発症の背景に生物学的な要因が存在することが示されています。2023年10月にイギリスの科学雑誌『ネイチャー』に発表された過去最大規模の研究では、約20万人ものうつ病患者のDNAを解析しました。その結果、女性は男性に比べて、うつ病に関連する遺伝的マーカーをほぼ二倍多く保有していることが判明したのです。研究者は、この結果が、うつ病の遺伝的要因は男性よりも女性の方が大きいことを示唆しており、代謝やホルモン制御に関わる生物的経路に影響を及ぼす遺伝的特性がいくつか見つかったと述べています。これは、女性のうつ病患者が体重変化やエネルギーレベルの変化といった代謝症状を頻繁に経験する理由を説明する可能性も示しています。
しかしながら、吉野先生はこの研究結果が示す「個別化された治療」という流れに対して警鐘を鳴らしています。先生は、うつ病の原因が遺伝子そのものにあるのではなく、生活習慣(特に食生活)がその遺伝子のスイッチを押すことにあると強く主張しています。たとえ乳がんや卵巣がんのリスクを高めるBRCA遺伝子を持っていても、必ず発症するわけではないのと同じように、うつ病の遺伝子を持っていても、それが発現するかどうかは環境要因によって左右されるのです。この環境要因こそが、先生の提唱する「四毒」理論と深く関わってきます。この四毒とは、小麦、植物性の油、牛乳・乳製品、そして甘い物を指しており、これらの摂取が乱れることで、うつ病の遺伝子のスイッチがオンになり、うつ病を発現させてしまうという考え方です。結論として、薬の開発で遺伝子の部分を操作しようとするよりも、まずはスイッチを押さない(四毒を避ける)ことが最も重要であるとされています。
砂糖の歴史と奴隷化の戦略・日本における砂糖の歴史
私たちが日常的に摂取している「甘い物」の主成分である砂糖には、単なる食品という枠を超えた、重い歴史的背景があります。砂糖は、人種や民族、宗教に関係なく誰もが喜んで使う「世界商品」として戦略的に作られ、普及していきました。古代においては、砂糖は麻薬のように扱われる貴重な薬であり、非常に高価なものでした。その後、イスラム社会でお酒が禁止された後に、コーヒーと砂糖が快楽を得るものとして広まった歴史があります。
しかし、砂糖の普及が加速したのは、大航海時代以降です。新大陸であるアメリカなどでプランテーションが始まり、アフリカから連れてこられた奴隷を使い、サトウキビが大量生産されました。さらに産業革命期に入ると、工場労働者に砂糖入りのコーヒーが与えられるようになります。これは、砂糖が脳の快楽報酬系を刺激し、ドーパミンを放出させ、麻薬と同じような中毒性を持つことを利用したものです。カフェインと快楽報酬系の刺激を組み合わせることで、長時間(15〜17時間)労働させるための「奴隷化戦略」として使われたのです。今日、缶コーヒーを飲みながら残業している行為は、歴史的には「自分で自分を奴隷にしていることと同じ」という厳しい見解が示されています。
一方で、日本における砂糖の歴史は異なります。最初の記録は八世紀頃に薬として伝来しましたが、江戸幕府は1868年の明治維新まで、砂糖の輸入と流通を固く制限していました。その目的は、金銀銅の海外流出を防ぐことと、国民が甘い物中毒になることを恐れたためです。その結果、江戸時代の庶民には虫歯が非常に少なかったという歴史的事実があります。しかし、第二次世界大戦後、マッカーサーによる食料転換政策で、アメリカから大量のチョコレートがばらまかれたことにより、日本人の快楽報酬系のタガが外れ、砂糖中毒が蔓延するきっかけとなったのです。
うつ状態からの脱出:甘い物(糖質)をやめる重要性
うつ状態にある方が根本的な改善を目指す上で、最も重要な対策の一つが甘い物(糖質)の摂取をゼロにすることです。吉野先生は、うつ状態やうつ病の根本原因は、食生活の乱れ、特に甘い物中毒にあると断言しています。その理由は、甘い物が脳と腸に与える深刻な影響にあります。
まず、甘い物を大量に摂取すると、腸内環境が著しく悪化し、短鎖脂肪酸を出すような有益な腸内細菌が極端に減少します。腸と脳は密接に連携しているため、この腸内環境の悪化がうつ状態を引き起こす一因となります。さらに、砂糖は脳の快楽報酬系に直接作用し、ドーパミンを放出させ、麻薬と同じような強力な中毒性を持つためです。この中毒の原則として、摂取量を少し減らすだけでは治らず、完全にゼロにしないと治らないという現実があります。
甘い物中毒になっている方は、無意識のうちに摂取を正当化する様々な言い訳を使ってしまいます。たとえば、「バナナはビタミンCや食物繊維があって体に良い」「チョコレートのポリフェノールが健康に良い」「マヌカハニーは喉に良い」といった具合です。しかし、先生の指摘によれば、これらは全て中毒者が摂取を続けるための言い訳に過ぎません。例えば、バナナは日本人が歴史上朝食に食べてきたものではなく、ポリフェノールを摂るなら緑茶や抹茶で十分です。また、甘い物には、精製糖だけでなく、はちみつ、糖度の高いフルーツ(メロン、スイカなど)、糖度の高い野菜(かぼちゃ、さつまいも、トウモロコシ)も含まれており、これら全てが脳の快楽報酬系を刺激します。中毒を治すためには、これらの甘い物を一旦、完全にやめることが不可欠です。「少しだけ」という摂取は快楽報酬系を刺激し続け、中毒から抜け出せなくしてしまうため、うつ状態からの脱出を目指すのであれば、糖質の摂取をゼロにすることが根本対策となるのです。

東洋医学を活用したうつ病のリスク判断と体質
うつ病の根本原因を追求する際、現代医学(西洋医学)の遺伝子解析に加えて、古くから伝わる東洋医学の知恵も非常に有用な指針となります。東洋医学では、病気を単なる症状として捉えるのではなく、その人の体質や生活環境全体からバランスの崩れとして診断します。したがって、うつ病に関する遺伝子が多いと判明したとしても、遺伝子検査という手間をかけずとも、東洋医学の考え方を利用することで、リスクが高い人を事前に判断することができるのです。これは、個人の体質を八つの軸で捉える八綱弁証(はちこうべんしょう)という診断法に基づいて行われます。体質は主に、「実証(体力がある)と虚証(体力がない)」、そして「熱勝(体温が高い)と寒勝(体温が低い)」「陰(裏)と陽(表)」の組み合わせで分類されます。
これら四つの体質のうち、うつ病やパニック障害になりやすいと見なされるのは、虚証で寒勝の体質、つまり「体力がない上に低体温である人」です。虚証の人は元々心身のエネルギーが不足しがちであり、寒勝の人は血流や代謝が滞りやすい状態にあります。このような体質に、前述の「四毒」に含まれる甘い物が加わることで、病気のスイッチが押されやすくなると考えられています。甘い物は体を冷やす作用があり、低体温の人はさらにその影響を受けやすくなります。そのため、遺伝的なリスクの有無にかかわらず、自分が虚証で低体温であると自覚していれば、甘い物を避けることが、うつ病になるリスクを回避するための具体的な行動指針となるのです。ここで大切なのは、高価な遺伝子検査をするよりも、まずはご自身の体質を知り、その体質に合わせた食生活を送ることです。東洋医学の知恵は、このように日常のセルフケアに直結する、実用的なリスク判断を提供してくれます。

萎縮した脳を元に戻すための根本的な治し方と病気の3過ぎの影響
前述の通り、長期にわたる過剰なストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールなどを過剰に分泌させ、結果的に脳神経の栄養物質を減少させます。これにより、記憶や感情を司る海馬の神経細胞が縮み、脳の萎縮が起こります。向精神薬などの西洋医学的な薬物治療では、この萎縮した脳を元に戻すことは困難です。そこで必要となるのが、ストレスの元を断ち、脳の神経細胞を新しく増やす(ニューロン新生)ことを目的とした根本的な治し方です。このアプローチには、生活習慣の改善と「病気の三過ぎ」を止めることが含まれます。病気の三過ぎとは、働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎを指しており、これらが複合的にストレスを増大させ、脳の萎縮を進行させる要因となるのです。
萎縮した脳を元に戻すための根本的な治し方には、四つの柱があります。一つ目は休養と環境改善です。人間関係、仕事、金銭、孤独など、強いストレスから遠ざかることが最優先です。また、朝日を浴びる日光浴はセロトニン生成を促し、部屋の色彩を明るくすることも気分安定に寄与します。二つ目は運動です。汗がにじみ、心拍数が上がる程度の有酸素運動は、記憶をつかさどる海馬を大きくし、BDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促します。BDNFは「脳の栄養剤」とも呼ばれ、新しい神経細胞の生成や血管の形成を促進し、認知機能を強化します。三つ目は瞑想です。マインドフルネスとして知られる瞑想は、脳の神経細胞を蘇らせ、海馬を増加させる効果が確認されており、副作用なく実践できる有効な手段です。そして四つ目は食事とコミュニケーションです。特に「よく噛んで食べる(咀嚼)」ことは、歯根膜というセンサーを通じて脳に刺激を送り、海馬の神経細胞を爆発的に増やすことが実験で証明されています。これらの方法によって、薬物なしで脳を生理的に回復させ、根本的な解決を目指せるのです。
五悪の影響と食生活がうつ状態に与える影響
うつ状態の根本原因が食生活の乱れにあるという主張は、前述の「四毒」だけでなく、さらに広範な有害物質にも目を向ける必要があります。吉野先生の理論では、「四毒」に加えて、現代社会に蔓延する「五悪」の影響も無視できません。五悪とは、食品添加物、農薬、除草剤、化学肥料、遺伝子組み換え食品という、私たちの口に入るものに多く含まれる化学物質や不自然な食品のことを指します。これら五悪は、体内で代謝やホルモン制御に悪影響を及ぼし、結果的にうつ病の遺伝子スイッチを押したり、体全体の不調を通じてうつ状態を誘発したりする可能性があります。
食生活の乱れは、うつ状態の最も根本的な原因として断言されています。中でも「四毒」に含まれる甘い物は、快楽報酬系への依存性だけでなく、腸内環境を極端に悪化させる最大の要因です。甘い物を大量に食べると、腸内で重要な短鎖脂肪酸を出す腸内細菌が減少し、これが脳機能に悪影響を及ぼし、うつ状態を引き起こします。また、四毒に含まれる小麦はグルテンとして腸に炎症を起こし、植物性の油(特に精製された油)は体内で炎症性の物質に変わりやすく、全身の健康を損ないます。もちろん、健康に良いとされるオリーブオイルや亜麻仁油なども、先生の理論では「精製された油」として摂取を控えるべき対象です。加えて、牛乳・乳製品は人によってはアレルギー反応や消化不良を引き起こすことがあります。食生活の乱れは、単にカロリーオーバーになるというだけでなく、遺伝子の発現を促し、脳と腸の健康を蝕むことで、うつ状態へと直結しているのです。
指圧マッサージ治療の役割
うつ病やうつ状態からの回復を目指す上で、当院で人気の指圧マッサージ治療は、薬物治療では届きにくい心身の緊張を緩和する重要な役割を担っています。現代社会の過度なストレスや慢性的な疲労は、自律神経のバランスを乱し、常に交感神経が優位な状態、つまり「戦闘モード」の状態を身体に強いることになります。この状態が続くと、背中、首、肩といった部位に強いコリや張りとして身体的な緊張が現れ、心身がリラックスできない状態が慢性化してしまいます。指圧マッサージの役割は、主にこの身体的な緊張を直接的に緩めることにあります。
施術では、緊張して硬くなった筋肉を一つひとつ丁寧に緩めることで、血管が拡張し、滞っていた血液やリンパの流れが改善されます。これによって、リラックスを司る副交感神経が優位になるよう働きかけ、心拍数や血圧を穏やかに下げ、深いリラックス状態を促します。さらに、この治療は、前述の「病気の三過ぎ」による肉体的な疲労、例えば「働きすぎ」によって溜まった老廃物を排出し、疲労回復を早める効果があります。薬に頼るのではなく、身体の物理的な緊張を解くことで、質の高い休息へと導き、ストレス過多の状態から脱却するための土台作りとなるのです。指圧マッサージで心身を休めることは、うつ状態の根本解決に向けた第一歩であると言えるでしょう。
*【池袋東口】癒しの森指圧鍼灸院で指圧マッサージ治療ご希望の方はこちらのページをご覧ください。

鍼灸治療の役割
鍼灸治療は、指圧マッサージによる身体の表面的な緊張緩和に加えて、さらに踏み込んだ心身の調整を行う役割を担います。東洋医学の観点では、うつ状態は単に気分が落ち込んでいるだけでなく、体内のエネルギーの流れである「気」や「血」、「水」のバランスが乱れ、体質そのものがアンバランスになっている状態だと捉えます。鍼やお灸を用いて全身にある特定のツボ(経穴)を刺激することで、この気血水の巡りを整え、乱れた自律神経やホルモンバランスに直接的に働きかけるのです。例えば、胃腸の不調や吐き気がある際には、足の三里などのツボを刺激することで、西洋医学の薬よりも早く症状が治まる例もあります。
特に、うつ状態を引き起こしやすい「虚証(体力がない)」や「寒勝(低体温)」といった体質的な問題を根本から改善する力が鍼灸にはあります。体を温め、エネルギーを補うことで、その人自身が持つ自然治癒力を最大限に引き出し、体質そのものをうつ病になりにくい状態へと変えていきます。当院では、かつて、産業医から休職を言い渡されていた患者さんに対し、マルチビタミンミネラルの摂取指導と鍼灸マッサージを組み合わせた結果、複数の方が社会復帰を果たした経験がございます。しかし、現在の私たちの考えでは、外部から何かを補う(サプリメントなど)よりも、まず「四毒」のような有害物質を食事から抜くことを優先すべきだと指導しています。このように、鍼灸治療は、薬物による対症療法とは異なり、身体の内側からバランスを整えることで、うつ状態の根本的な解決を目指す非常に重要な手段となるのです。
*【池袋東口】癒しの森指圧鍼灸院で鍼灸治療ご希望の方はこちらのページをご覧ください。
うつ病への根本的アプローチ:鍼灸・指圧マッサージと生活習慣改善の総括
- 私たちが日常で経験する落ち込みの多くは、病気ではない「うつ状態」である
- うつ病は、抑うつ気分などが二〜三週間以上続き、社会機能が障害される重症な状態である
- うつ病の診断には、現在も血液検査などの客観的な生物学的指標が存在しない
- 「うつは心の風邪」というキャンペーンが、「心は薬で治せる」という誤った認識を広めた
- キャンペーン後、薬を必要としない「うつ状態」の人が抗うつ薬を飲む状況が生まれた
- 日本の精神疾患治療は薬物中心に偏重しており、世界の潮流(瞑想、運動、カウンセリング)から遅れている
- 武見太郎氏は、営利目的で患者を収容する一部の精神病院を「牧畜業者」と批判した歴史がある
- 副腎皮質ステロイドなどの一部の医薬品は、副作用としてうつ病を引き起こす可能性がある
- ステロイドの長期使用は、うつ病に深く関わる脳の部位である海馬の萎縮を引き起こすことが研究で判明している
- うつ病の根本原因は遺伝子そのものではなく、生活習慣(特に食生活)が遺伝子のスイッチを押すことにある
- 吉野先生の提唱する「四毒」(小麦、植物性の油、牛乳・乳製品、甘い物)を避けることが重要である
- 甘い物は麻薬と同じ中毒性を持ち、摂取を少し減らすのではなく「完全にゼロにすること」が脱出の鍵となる
- 東洋医学では、体力がない上に低体温の「虚証で寒勝」体質がうつ病になりやすいリスクが高いと判断される
- 萎縮した脳を元に戻すには、「働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎ」という病気の三過ぎを止めることが必須である
- 鍼灸治療は、ツボを刺激して気血水の巡りを整え、体質的な問題を改善する役割を担う
- 指圧マッサージは、過緊張した筋肉を緩め、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる
