脂肪肝の原因は食べ過ぎ飲み過ぎだけではない:鍼灸・指圧マッサージで整える

脂肪肝の原因は食べ過ぎ飲み過ぎだけではない:鍼灸・指圧マッサージで整える

現在、国民の三人に一人が罹患しているとされる脂肪肝は、従来の「食べすぎ」「飲みすぎ」といった原因説だけでは説明できない深刻な状況にあります。多くの方が脂肪肝の根本的な対策を求めて情報を調べていることでしょう。本記事は、そんな脂肪肝の真の原因と、当院が提供する鍼灸・指圧マッサージによるアプローチの重要性について深く掘り下げます。まず、脂肪肝の定義と種類として、アルコール性が少ない非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と、肝癌への進行リスクがあるNASHの違いを解説します。また、日本のデータに基づいて、カロリー過多や飲酒量の増加が原因ではないという従来の誤解を検証し、脂肪肝激増の二大原因である植物油の過量摂取と歩行数の激減という現代的な問題に焦点を当てます。さらに、安保徹先生が提唱する病気の3過ぎ(働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎ)や、吉野敏明先生の四毒(甘い物や植物油)と五悪(添加物・農薬)といった根本的な悪化要因を掘り下げます。当院の鍼灸治療と指圧マッサージは、これらの根源にある自律神経の乱れや代謝の低下を調整する役割を担い、乱れた心身を整え脂肪肝を根本改善へと導きます。この記事を通じて、脂肪肝の進行と可逆性を正しく理解し、鍼灸・指圧マッサージを健康維持の視点から捉え直す具体的な情報を提供します。

この記事のポイント

  • 脂肪肝が国民の3人に1人という深刻な現状と、進行性のNASHのリスク
  • 従来の飲酒やカロリー過多ではなく、四毒(甘い物・植物油)と運動不足が真の原因であること
  • 安保先生の病気の3過ぎや特定の医薬品が、ストレスや代謝を介して脂肪肝を悪化させる仕組み
  • 鍼灸治療と指圧マッサージが、ストレスや代謝の乱れを調整し、脂肪肝の根本改善をサポートする役割
目次

脂肪肝の真の原因と対策を知る:鍼灸・指圧マッサージの視点

忘年会でビールを飲むサラリーマン

脂肪肝の定義と種類:NAFLDとNASHの違い

脂肪肝とは、文字通り肝臓に脂肪が過剰に蓄積してしまった状態を指します。具体的には、肝臓を構成する細胞(肝細胞)の3分の1以上(30%以上)に、中性脂肪という脂質の成分が溜まってしまった病的な状態と定義されています。肝臓は元々、エネルギー源として利用するために脂肪を蓄える重要な役割を担っていますが、この蓄積が許容量を超えると、肝臓本来の機能、例えば解毒作用や代謝機能などに支障をきたし始めます。

この脂肪肝は、原因によって大きく二つの種類に分類されます。一つは、長期にわたる過度なアルコール摂取が引き起こすアルコール性脂肪肝(ALD)です。これに対して、アルコール摂取量がほとんどない、あるいは全く飲まない人に見られる脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)と呼びます。現代の日本において、飲酒量が減少傾向にあるにもかかわらず脂肪肝の患者が激増している背景には、このNAFLDの急増が深く関わっています。

NAFLDは、さらにその進行度によって二つに細分化され、特に注意が必要です。一つ目は、非アルコール性脂肪肝(NAFL)です。これは肝臓に脂肪が蓄積しているものの、目立った炎症や肝細胞の破壊、線維化(肝臓が硬くなること)を伴わないタイプです。NAFLD全体の約8割から9割を占めており、多くの場合、深刻な状態へは進まずに留まる傾向があります。しかし、もう一つが進行性のタイプである非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic Steatohepatitis)です。NASHは、脂肪の蓄積に加え、肝細胞に炎症や破壊が起きている状態であり、この炎症が慢性化することで徐々に線維化が進行していきます。この進行性の病態は、最終的に肝硬変や肝癌といった命に関わる重篤な疾患へと発展するリスクがあるため、単なる「肥満による脂肪の蓄積」として軽視せず、早期の対策が極めて重要となります。NASHの発生は、生活習慣病であるメタボリックシンドロームとの関連性が非常に強いことが指摘されており、脂肪肝は全身の代謝異常を示す重要な警告信号として捉えるべきです。


日本における脂肪肝の状況:国民の3人に1人の現実

現在の日本において、脂肪肝の広がりは極めて深刻な状況にあります。厚生労働省などの統計データから推定される脂肪肝の患者数は3000万人を超えており、これは日本の国民のおよそ3人に1人が罹患しているという驚くべき現実を示しています。

この現象を牽引しているのが、アルコールが原因ではない非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の爆発的な増加です。過去のデータと比較しても、その増加率は顕著で、1990年代には国民に占めるNAFLDの割合は約12.6%でしたが、2000年代には30%以上に跳ね上がり、その勢いは現在も止まっていません。

この状況をさらに詳しく見てみると、深刻な偏りが見られます。成人男性に限っていえば、実に2人に1人が脂肪肝である可能性が指摘されており、これはもはや「国民病」というより「男性の病」と言っても過言ではないほどです。また、この問題はもはや中高年層だけに限定されていません。現代のライフスタイルの変化に伴い、若年層への広がりも見せており、10代から20代の男性でも約17%、つまり5人に1人がすでに脂肪肝を抱えているというデータも存在します。このまま現状が続けば、2040年には国民の半数近い約4900万人が脂肪肝になると予測されており、社会全体で対策を講じなければならない喫緊の課題となっています。従来の「食べすぎ」「飲みすぎ」といった原因論が崩壊している中で、なぜ摂取カロリーや飲酒量が減っているにもかかわらず、これほど若年層を含めて脂肪肝が激増しているのかという、真の原因を突き止め、根本的なアプローチを行うことの重要性が増しています。


脂肪肝の進行と可逆性:飲酒停止と薬物中止の影響

脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと進行すれば肝硬変や肝癌のリスクを伴いますが、特に初期段階においては「可逆性」、すなわち改善や回復が期待できる性質を持っています。肝臓は、体の中でも特に優れた再生能力を持つ臓器であり、原因となる負荷が取り除かれれば、驚くほど速やかに健康な状態を取り戻すことが可能です。

この可逆性を実現する鍵は、脂肪肝を引き起こしている根本的な原因を速やかに取り除くことにあります。例えば、過度なアルコール摂取が原因で起こるアルコール性脂肪肝(ALD)の場合、飲酒量を大幅に減らす、あるいは完全に停止することができれば、多くのケースで通常6週間以内には肝細胞に溜まっていた脂肪が消え去り、肝臓が健康な状態を取り戻すことが可能です。

また、見過ごされがちな大きな要因として、特定の医薬品の使用が挙げられます。抗がん剤、ステロイド剤、特定の抗てんかん薬など、添付文書にも記載がある特定の薬剤は、肝臓に毒性(肝毒性)を示し、脂肪肝や肝炎を誘発するリスクがあります。安保徹先生が提唱する「薬の飲みすぎ」が病気の原因となり得る具体的な一例です。もし、特定の薬剤が脂肪肝の原因となっている可能性が判明した場合、回復力を引き出すためには、必ず医師の指導のもとで薬の使用を中止・変更することが重要な手段となります。自己判断での中断は危険ですので、主治医との連携が不可欠です。原因が取り除かれずに飲酒を続けたり、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が進行性のNASHに移行して慢性的な炎症が続いたりすると、肝臓のダメージは蓄積し、やがては不可逆的な線維化(肝硬変)へと進んでしまうため、沈黙の臓器と呼ばれる肝臓に対し、早期に根本的な要因へ対処することが最大の防御策となります。


従来の「原因説」に対する検証と否定:カロリー・飲酒説の誤解

脂肪肝が国民病として広がる中で、依然として世間では「食べすぎ」や「飲みすぎ」といった従来の生活習慣病の枠組みで捉えられがちです。特に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の増加は、肥満や過食が主たる原因として報道されることも少なくありません。

しかし、日本の具体的な統計データに照らし合わせて検証すると、この従来の「カロリー・飲酒説」が、現在の脂肪肝激増の現象を十分に説明できないことが明らかになります。

まず、「食べすぎ=摂取カロリー過多」説についてです。厚生労働省などの公的なデータを確認すると、日本人の一人あたりの平均摂取カロリーは、戦後から現在に至るまで一貫して減少傾向にあります。例えば、1971年には一日あたり平均2,287 kcalでしたが、現在では1,800 kcal台と、実は戦前の水準よりも低くなっているのです。これほどのカロリー摂取量の減少にもかかわらず、脂肪肝が激増しているという事実は、単純に「カロリーの総量」が原因の全てではないことを強く示唆しています。

次に、飲酒量が増加しているという説も、日本のデータからは否定されます。アルコール性脂肪肝の原因であるアルコール摂取習慣全体を見ても、日本国民の飲酒量は平成2年頃をピークに、現在までに4割以上も減少しています。NAFLDはアルコールが原因ではないため飲酒説は元々当てはまりませんが、アルコール性の増加すらもデータは裏付けていません。これらの客観的なデータから、脂肪肝、特にNAFLDの爆発的な増加という現象は、「食べすぎ」「飲みすぎ」という従来の生活習慣病の枠組みでは捉えきれません。問題の核心は、カロリーの総量やアルコールの摂取量ではなく、現代的な食生活における摂取する「ものの質」と、社会全体の「活動量」の変化という、より深い要因にあると考えるべきです。


脂肪肝激増の二大原因:植物油の過量摂取と歩行数の激減

従来の「カロリー・飲酒説」が日本の現状と乖離している中で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が激増している背景には、現代の生活様式に深く組み込まれた二つの大きな根本原因が潜んでいます。それは、植物油の過量摂取と、それに伴う歩行数の激減による運動不足です。

まず、一つ目の植物油の過量摂取についてです。現代の日本人が摂取する油の量は、戦前の伝統的な食生活と比べると、一人あたり平均で50倍にも増加しているという指摘があります。この背景には、外食産業や加工食品の普及があり、これらの食品には精製された植物油が大量に含まれています。吉野敏明先生の「四毒」でいうところの「植物性の油」は、過剰に摂取されると、肝臓内にある脂肪を燃焼させる工場であるミトコンドリアの働きを鈍らせてしまう可能性があります。エネルギーを生み出す効率が悪くなることで、体内に取り込まれた脂肪が燃焼されずに、肝臓にどんどん蓄積されやすくなるのです。また、加工食品には精製された糖質や果糖(フルクトース)も多量に含まれており、これは肝臓で直接的に中性脂肪へと変換されます。この精製油と糖質の複合的な摂取が、肝臓を強力に「フォアグラ化」させる主要な原因となっています。

そしてもう一つの原因が、歩行数の激減による深刻な運動不足です。現代社会では、エレベーターやエスカレーターが普及し、車での移動が常態化するなど、生活様式が「エスカレーター型社会」に変貌しました。これにより、意識しない限り一日の活動量(歩行数)が激減しています。運動不足は、肝臓が脂肪を燃やす能力(ベータ酸化)を低下させるだけでなく、インスリンという血糖値を下げるホルモンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を引き起こします。このインスリン抵抗性の進行こそが、NAFLD、そして進行性のNASHへと繋がる最大の原因であり、植物油の過剰摂取による代謝への負担と相まって、現代における脂肪肝激増の最も根本的な二大要因を形成していると言えるでしょう。

ハンバーガーとエスカレーター

鍼灸・指圧マッサージで乱れた心身を整え脂肪肝を根本改善

病気の3過ぎの影響:働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎ

安保徹先生が提唱した「病気の3過ぎ」とは、現代人が抱える働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎの三つの過剰な負担を指し、これらは脂肪肝、特に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の根深い要因として深く関わっています。

まず、働きすぎ悩みすぎという精神的・肉体的な過剰なストレスがもたらす影響から見ていきましょう。過度な緊張や疲労が続くと、私たちの意思とは無関係に働く自律神経のバランスが大きく崩れます。特に、活動や緊張時に優位になる交感神経が慢性的に過剰に優位な状態(交感神経緊張状態)となります。交感神経が優位になると、全身の血管が収縮し、末端や内臓への血流が悪化します。血流が悪くなると、体全体のエネルギー代謝効率が著しく低下します。本来、脂肪を燃焼させてエネルギーに変えるべきミトコンドリアの働きが鈍くなり、摂取した脂肪が効率よく燃焼されずに、肝臓に蓄積されやすくなるのです。さらに、ストレスに晒され続けることで分泌されるストレスホルモン(コルチゾールなど)は、血糖値を上昇させ、インスリンという血糖値を下げるホルモンの効きを悪くするインスリン抵抗性を誘発します。このインスリン抵抗性の進行こそがNAFLDの最大の原因の一つであり、心身の過剰な負担が悪循環を生み出しているのです。

そして、三つ目の薬の飲みすぎも、肝臓に直接的な負荷をかけます。特定の医薬品は肝臓で代謝される過程で肝毒性を示し、脂肪肝を誘発・悪化させるリスクがあるため、これは後述する「特定の医薬品」の項で詳細に解説します。このように、3つの過剰な負担は、心身両面から脂肪肝を悪化させる根本的な要因となります。


四毒の影響:甘い物や植物油が脂肪肝を促進する仕組み

吉野敏明先生が警鐘を鳴らす「四毒」とは、ユーザー様が定義されているように、現代の食生活に潜む主要な毒となり得る要素(小麦、植物性の油、牛乳乳製品、甘い物)を指し、これらは肝臓における脂肪の合成を強く促進し、脂肪肝の激増を加速させる要因となっています。

特に脂肪肝に最も大きな影響を及ぼすのが「甘い物」「植物性の油」です。

  1. 甘い物(特に果糖:フルクトース): 一般的なブドウ糖が体内でエネルギーとして広く利用されるのに対し、清涼飲料水や加工されたお菓子などに含まれる甘い物(特に異性化液糖などに多い果糖/フルクトース)は、肝臓に運ばれると、他の糖よりも優先的に、そして直接的に中性脂肪へと変換されてしまう特性を持っています。肝臓はフルクトースを処理する能力が非常に高いため、過剰に摂取すると、文字通り肝臓が脂肪を合成するための材料過多となり、「フォアグラ化」を促進してしまうのです。ユーザー様が以前お話しくださったように、ここでいう甘い物には、砂糖だけでなく、糖度の高いフルーツや野菜も含まれるため、その摂取量には注意が必要です。
  2. 植物性の油(特に精製されたもの): 過剰に摂取されるようになった精製された植物性の油は、脂肪肝激増の二大原因の一つとしても挙げられます。精製油は、体内の細胞、特に脂肪を燃焼するミトコンドリアの働きを阻害する可能性があります。これにより、肝臓内での脂肪の分解(ベータ酸化)が効率よく行えなくなり、処理しきれない脂肪が肝細胞内に溜まり込んでしまいます。
  3. 小麦: 小麦に含まれる精製されたデンプンも、体内で急速にブドウ糖に変わり、血糖値を急上昇させます。血糖値が急激に上がると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌され、結果的に肝臓での脂肪合成が促進されてしまいます。

このように、四毒はすべて、肝臓の代謝システムをオーバーヒートさせ、「脂肪を作る・溜める」を促進し、「分解する」を妨げるという仕組みで脂肪肝を悪化させてしまうのです。

■四毒の影響

四毒の要素脂肪肝への具体的な影響
甘い物【最も影響大】 砂糖、特に果糖(フルクトース)は肝臓で直接中性脂肪に合成されます。フラペチーノやエナジードリンクなどの生成糖質はこれにあたり、肝臓に最も負担をかけます。
植物性の油【影響大】 過剰な植物油(特に精製されたもの)の摂取は、肝臓のミトコンドリア機能を低下させ、脂肪の燃焼(ベータ酸化)を妨げ、脂肪として蓄積させます。これは、脂肪肝激増の二大原因の一つとして指摘されています。
小麦小麦に含まれる生成されたデンプンは、体内で急速にブドウ糖に変わり、血糖値を急上昇させます。これによりインスリンが大量に分泌され、肝臓での脂肪合成が促進されます。
牛乳乳製品吉野先生の理論では、牛乳に含まれる成分が消化器官に炎症を起こし、全身の不調や代謝異常につながるとされています。間接的に代謝に影響を及ぼし、脂肪肝を悪化させる可能性があります。

💡 補足: 吉野先生の理論では「甘い物」は砂糖だけでなく、糖度の高いフルーツや野菜(メロン、サツマイモ、トウモロコシなど)も対象となります。


五悪の影響:添加物・農薬が肝臓の解毒機能に与える負担

吉野敏明先生の理論で言及される「五悪」(食品添加物、農薬、除草剤、化学肥料、遺伝子組み換え食品)は、すべてが、脂肪肝の悪化に間接的、あるいは直接的に影響を及ぼす毒性物質(毒素)として考えられます。これらの物質が体内に侵入すると、人体を守るための最大の解毒工場である肝臓が、その処理を一手に引き受けることになります。

肝臓は、アルコールや老廃物の解毒に加え、脂肪の処理や代謝といった生命維持に不可欠な重要な役割を担っています。しかし、食品添加物や残留農薬といった体外から侵入する化学物質が増えすぎると、肝臓はこれらの解毒作業に過剰なエネルギーと酵素を費やさざるを得なくなります。この状態を「解毒疲労」と呼ぶことができますが、解毒作業に忙殺されることで、脂肪の分解や合成といった本来の代謝機能が後回しにされてしまうという深刻な状態に陥ってしまうのです。

代謝能力が低下した結果、脂肪が効率よく処理されずに肝臓内に蓄積しやすくなり、脂肪肝の状態を悪化させる一因となります。また、化学物質による慢性的な刺激や炎症反応が肝細胞自体に負担をかける可能性も否定できません。五悪の摂取が多い食生活は、四毒による脂肪合成の促進という負担に加え、肝臓自体を疲弊させ、その代謝能力を低下させるという二重の負担をかけることになります。そのため、脂肪肝を根本的に解決するには、四毒を避けて脂肪の材料を断つだけでなく、五悪を避けて肝臓の解毒機能を守り、代謝能力を正常に保つことが極めて重要となります。


脂肪肝を引き起こす可能性のある特定の医薬品

医薬品は病気の治療に不可欠ですが、中には肝臓に負担をかけ、脂肪肝を引き起こすリスクがある特定の薬剤も存在します。これは、安保徹先生の提唱する「薬の飲みすぎ」が病気の原因となり得る具体的な一例です。

多くの医薬品は、その成分が体内に入ると、主に肝臓で代謝・処理されますが、この過程で肝細胞に毒性(肝毒性)を示すことがあります。例えば、強力なコルチコステロイド(ステロイド剤)は、炎症を抑えるために広く使われますが、体内の脂質代謝に影響を及ぼし、肝臓に脂肪を蓄積させやすいことが知られています。

また、特定の薬剤は添付文書などで副作用として肝臓への毒性が警告されています。例えば、乳がん治療薬のタモキシフェンや、てんかん治療薬のバルプロ酸ナトリウム、関節リウマチなどに使われるメトトレキサートといった薬剤は、脂肪肝や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を引き起こす可能性があることが記載されています。

これらの医薬品は、生命維持や症状の緩和のために必要不可欠な場合が多いものの、服用中は定期的な肝機能検査が推奨されます。もし脂肪肝と診断された際に特定の薬剤を常用している場合は、自己判断で中断せずに、必ず医師と薬剤師に相談し、肝臓への影響を確認することが、病態の理解と回復に向けた重要なステップとなります。医師の指導のもとで薬の使用を慎重に見直すことが、肝臓への負担を減らすことにつながります。

■以下は、脂肪肝を引き起こすことが添付文書などで確認または警告されている薬剤です。

薬剤名薬効分類/用途関連する情報
コルチコステロイド(糖質コルチコイド)合成副腎皮質ホルモン製剤(ステロイド)、強力な抗炎症作用。例:プレドニゾロン、コルチゾンなど。全身性の炎症性疾患などに使用。肝臓に脂肪の蓄積を引き起こす。添付文書にも脂肪肝が記載されている。
タモキシフェン抗エストロゲン剤、主に乳がんの治療に使用。肝臓で代謝される。米国消化器病学会が、タモキシフェンが脂肪肝とそれに関連する肝炎を引き起こす可能性を警告している。添付文書には「肝機能異常、脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)」が記載されている。
メトトレキサート抗リウマチ剤、抗がん剤。関節リウマチや特定の種類のがんなどに使用。脂肪肝を含む肝臓毒性がある。添付文書にも脂肪肝が記載されている。
バルプロ酸ナトリウム抗てんかん薬、躁病や偏頭痛の治療にも使用。肝臓でほとんど代謝される。米国食品医薬品局(FDA)によって、脂肪の蓄積を起こし、肝臓に対する影響の一つであると警告されている。添付文書にも劇症肝炎などの重篤な肝障害とともに脂肪肝が記載されている。
アスピリン炎症を抑える薬、小児のウイルス性疾患からの回復期にライ症候群という病態と関連する。ライ症候群は、脳の腫れや肝臓の脂肪の急速な蓄積を起こし、アスピリンが発症と肝臓への影響の要因として関与しているとされる。(※ライ症候群では、病態として肝臓に脂肪が溜まる。)
アミオダロン心臓のリズムを治療するための薬(抗不整脈薬)。主に肝臓で代謝される。アメリカの学会などで、脂肪肝を引き起こす可能性があると言われている。
ジルチアゼムカルシウムチャネル遮断薬(降圧薬、狭心症治療薬)。肝臓で代謝される。一部の人で脂肪肝を起こすことがある。

鍼灸治療と指圧マッサージの役割:ストレスと代謝の調整

脂肪肝の根底には、四毒・五悪といった食生活の問題だけでなく、働きすぎや悩みすぎによる自律神経の乱れが深く関わっています。この自律神経の乱れと、それによって引き起こされる全身の代謝機能の低下に対して、鍼灸治療と指圧マッサージは非常に有効なアプローチを提供します。

鍼灸治療は、体の特定のツボ(経穴)に刺激を与えることで、リラックスを促す副交感神経を優位に導き、心身を深い休息状態へと導く効果が期待できます。これにより、ストレスによって過剰に分泌されていたストレスホルモンが抑制され、脂肪肝を悪化させる一因であるインスリン抵抗性の改善を間接的にサポートします。東洋医学では、肝臓の働きを「肝(かん)」として捉え、全身の気の流れを調整することで、肝臓への血流を改善し、滞った代謝機能の活性化を目指します。内臓を司る背中の特定のツボへのアプローチは、肝臓の代謝機能を整える上で重要な役割を果たします。

一方、指圧マッサージは、硬くなった筋肉の緊張を緩め、血行とリンパの流れを物理的に改善します。特に背中や腹部へのアプローチは、内臓の働きを司る自律神経に良い影響を与え、全身の代謝効率を高めることに貢献します。心身の緊張がほぐれることで、交感神経の過剰な働きが鎮まり、結果として内臓機能が本来の力を発揮しやすくなります。

このように、鍼灸と指圧マッサージは、薬物治療のように直接脂肪を分解するわけではありませんが、脂肪肝の根本原因である自律神経の乱れと代謝の悪化を調整する役割を担い、標準的な生活改善(食事や運動)の効果を高めるための強力なサポートとなり得るのです。

【池袋東口】癒しの森指圧鍼灸院で指圧マッサージ治療ご希望の方はこちらのページをご覧ください。
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働きすぎ、四毒の摂りすぎを止め根本解決を目指す

脂肪肝を根本的に解決し、健康な肝臓を取り戻すためには、一時的な対症療法ではなく、病気を生み出している生活環境と習慣そのものを徹底的に見直す必要があります。この根本的な解決の道筋は、安保徹先生の「病気の3過ぎ」と吉野敏明先生の「四毒」の排除が柱となります。

  1. 働きすぎ、悩みすぎを止める: 精神的・肉体的な負荷を減らし、自律神経のバランスを整えることは、脂肪肝を悪化させるインスリン抵抗性を改善するための最重要事項です。同時に、医師と相談の上で薬の飲みすぎの要因を見直すことが肝要です。
  2. 四毒の摂りすぎを止める: 最も大きな要因の一つである四毒(甘い物、植物性の油、小麦、牛乳乳製品)の摂りすぎを止めることが、肝臓への「脂肪の材料」供給を劇的に断ち切ります。特に、肝臓を直接フォアグラ化させる甘い物(フルクトース)と、代謝を妨げる精製された植物性の油を徹底的に制限することが重要です。この食生活の改善に加え、五悪(食品添加物など)を避けて肝臓の解毒機能を守ることも重要です。

これまでの話で、日本人の摂取カロリーや飲酒量が減っているにもかかわらず脂肪肝が激増しているのは、この四毒、そして五悪の摂取が増え、同時に歩行数の激減という運動不足が進行しているためだと理解できます。そのため、四毒・五悪を避けるという食の改善、意識的に歩行数を増やすという活動量の増加、そして当院の鍼灸や指圧マッサージによる心身のリラックスと血流・代謝の調整を行うことが、悪循環を断ち切り、脂肪肝のない健康な体を取り戻すための根本解決へと繋がっていくと考えられます。根本的な原因を取り除く生活改善と、それをサポートする心身の調整が、脂肪肝の真の解決策です。

脂肪肝の根本解決を目指す:鍼灸・指圧マッサージの役割と重要性

  • 脂肪肝とは中性脂肪が肝細胞の30%以上に過剰蓄積した病的な状態である
  • 現在の脂肪肝患者数は3000万人超で、国民の約3人に1人が罹患している
  • 成人男性は2人に1人、若年層でも5人に1人が脂肪肝になっている
  • 脂肪肝にはアルコール性脂肪肝(ALD)と非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)がある
  • NAFLDのうち進行性のNASHは肝硬変や肝癌へ発展するリスクがあるため注意が必要だ
  • 従来の「食べすぎ」「飲みすぎ」説は、摂取カロリーや飲酒量の減少データから否定される
  • 脂肪肝激増の真の原因は「植物油の過量摂取」と「歩行数の激減」である
  • 吉野先生の四毒(甘い物・植物油など)の摂りすぎが脂肪合成を強力に促進する
  • 甘い物に含まれる果糖(フルクトース)は肝臓で直接中性脂肪に合成される
  • 安保先生の病気の3過ぎ(働きすぎ・悩みすぎなど)は自律神経を乱し脂肪肝を悪化させる
  • 特定の医薬品(ステロイド、タモキシフェンなど)は肝毒性があり脂肪肝のリスクとなる
  • アルコール性脂肪肝は飲酒を止めれば6週間以内に回復する可逆性がある
  • 鍼灸治療は自律神経を調整し、血流改善や代謝機能の活性化を目指す
  • 指圧マッサージはストレス緩和と血行促進を通じて、根本的な原因の解決をサポートする
  • 根本解決には、四毒・五悪の排除と活動量の増加、そして鍼灸・指圧マッサージによる調整が必要だ
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