脊髄小脳変性症(指定難病18)と診断され、日々のふらつきや動作のしにくさに対して鍼灸や指圧マッサージによるケアをお探しの方も多いことでしょう。この進行性の神経難病は、小脳や脊髄の神経細胞が失われることで運動失調を招きますが、その悩みは単なる身体の動かしにくさにとどまりません。
本記事では、まず病気の全体像:脊髄小脳変性症とはどのような疾患なのか、その基礎知識から疾患の分類と現状の原因解明状況までを整理します。また、小脳の機能:運動以外の高次脳機能障害という最新の知見に触れ、この病気が感情や認知に及ぼす影響についても解説します。さらに、現行の治療法:標準治療の限界と対症療法を理解した上で、運動失調に対する鍼灸治療のアプローチや、日々の症状の緩和に役立つ指圧マッサージが果たす具体的な役割について詳しくご紹介します。
あわせて、経済的な負担を軽減する豊島区機能回復券の交付と利用対象者についても詳しく解説し、公的支援の活用方法を提示します。後半では、脊髄小脳変性症:医原病と生活習慣からの考察として、添付文書に見る医薬品副作用と小脳萎縮の関係や、「原因不明」とされている症例とワ〇チン報告が示唆する新たな視点を取り上げます。
さらに独自の視点として、吉野敏明先生が提唱する四毒、すなわち独自考察:四毒 小麦の影響(グルテンの関与)や、独自考察:四毒 植物油の影響(アルデヒドの関与)が神経変性にどう関わるのかを深掘りします。現在の医療現場における食事問診の欠如という課題にも向き合い、皆様が多角的な視点で症状の維持・改善に取り組むための指針となる内容をお届けします。
この記事が、脊髄小脳変性症と向き合いながら、鍼灸や指圧マッサージを通じた質の高い生活を目指す皆様の一助となれば幸いです。
この記事のポイント
- 脊髄小脳変性症の基本病態と、標準治療の限界を補完する鍼灸・指圧マッサージの身体的役割
- 豊島区機能回復券を利用して自己負担を抑えながら継続的な施術を受けるための具体的な手順
- 医薬品の副作用やワ〇チン報告、不適切な食習慣といった病根に潜む可能性のある多角的な要因
- 小麦や植物油を控える「四毒抜き」の重要性と、神経変性を防ぐための生活習慣の見直し方
脊髄小脳変性症と鍼灸・指圧マッサージの役割

病気の全体像:脊髄小脳変性症とは
脊髄小脳変性症(Spinocerebellar Degeneration, SCD)は、脳の後方に位置する「小脳」や、背骨の中を通る「脊髄」の神経細胞が、何らかの原因で徐々に減少してしまう進行性の神経難病です。この病気の核心となる症状は「運動失調」と呼ばれるものです。これは、筋力そのものが著しく低下しているわけではないのに、各部位の動きをスムーズに連動させることができず、目的の動作が正確に行えなくなる状態を指します。
日常生活において最も顕著に現れるのは、歩行時のふらつきです。足元が定まらず、バランスを取るために歩幅を広く取ったり、上半身が大きく揺れたりする「酩酊(めいてい)歩行」が特徴的です。また、手先の細かい作業が困難になる、ろれつが回らなくなるといった構音障害も、多くの患者様が直面する症状です。かつては、外傷や腫瘍、感染症といった明確な原因が見当たらないものを便宜上「変性症」と一括りにしていましたが、現在は医学の進歩により、一つの疾患ではなく、同様の症状を呈する多様な疾患の集まりであることが理解されています。

疾患の分類と現状の原因解明状況
現在、国内には3万人を超える脊髄小脳変性症の患者様がいると推定されています。この疾患群は大きく分けて、家族内に同じ病歴を持つ方がいる「遺伝性」と、血縁関係に同様の症状が見られない「孤発性」の二つに分類されます。
全体の約3分の2を占めるのが孤発性であり、その代表格が「多系統萎縮症(MSA)」です。一方で、残りの約3分の1を占める遺伝性については、近年のゲノム解析技術の向上により、原因となる遺伝子の変異が次々と特定されてきました。日本では特にSCA3やSCA6といった特定の型が多く報告されており、それぞれの型に応じた病態メカニズムの解明が急ピッチで進んでいます。遺伝子レベルでの原因が判明したことで、異常なタンパク質の蓄積を防ぐなど、病気の進行を遅らせるための根本的な治療研究に光が差している状況です。しかし、孤発性の症例においては、いまだに発症のきっかけが不明な部分も多く、さらなる研究と臨床データの蓄積が待たれています。
小脳の機能:運動以外の高次脳機能障害
小脳は長らくの間、運動のバランス調整や滑らかな動きを司る「運動の司令塔」としての役割のみが注目されてきました。しかし最新の神経科学では、小脳の役割は単なる運動制御にとどまらず、より高度な知的能力や精神活動にも深く関わっていることが明らかになっています。
具体的には、小脳は五感(視覚、聴覚など)から得られる膨大な情報と、自分自身の体の動きを統合し、状況に合わせた最適な「予測」を行う機能を持っています。このため、小脳に障害が生じると、運動面だけでなく「高次脳機能障害」と呼ばれる症状が現れることがあります。例えば、感情のコントロールが難しくなり、急に怒り出したり涙もろくなったりする情動障害、周囲の状況に合わせた適切な行動が取れなくなる脱抑制などが挙げられます。このように、脊髄小脳変性症は単に「体が動かしにくい」という身体的問題だけではなく、認知や心、社会的な関わり方にも影響を及ぼす、非常に多層的な側面を持つ疾患であるという認識が広まっています。
現行の治療法:標準治療の限界と対症療法
現在の現代医学(標準治療)において、脊髄小脳変性症による神経の変性を完全に止め、元の状態に戻す「根本治療」は残念ながら確立されていません。治療の主な目的は、現れている症状を軽減し、少しでも長く現在の機能を維持することに主眼を置いた「対症療法」となります。
薬物療法では、運動失調を改善する目的でセレジスト(タルチレリン水和物)などのTRH製剤が処方されることが一般的です。これらは神経伝達を刺激することでふらつきを緩和する効果が期待されますが、その反応には個人差があり、病気の進行そのものを食い止める力までは備わっていません。また、リハビリテーションにおいては、ロボットスーツを用いた歩行訓練などが導入されるなど、残された機能を最大限に活用するための工夫が進んでいますが、医療機関で受けられるケアには時間的・回数的な制約があるのも実情です。こうした標準治療の限界を補い、日々の生活の質(QOL)を底上げするための選択肢として、東洋医学的なケアが注目されています。
運動失調に対する鍼灸治療のアプローチ
鍼灸治療は、東洋医学の知恵を用いて全身の調和を図るものであり、脊髄小脳変性症による運動失調への補完的ケアとして非常に親和性が高いと言えます。運動失調を抱える患者様は、無意識のうちに姿勢を維持しようと特定の筋肉に過剰な力を入れています。その結果、全身がガチガチにこわばり、その「こわばり」がさらに動きを鈍くさせるという悪循環に陥りがちです。
鍼による刺激は、こうした慢性的で深い筋緊張を緩和し、局所の血流を改善することで、溜まった疲労物質や痛み物質の排出を促します。また、ツボへの刺激は末梢神経を介して脳や脊髄の中枢神経系にも穏やかな刺激を送り、体が本来持っている「位置感覚(自分の体が今どうなっているかという感覚)」の情報の精度を高めるよう働きかけます。これにより、ふらつきそのものを消し去ることは難しくても、体が本来持つバランス能力を最大限に引き出し、歩行時の安心感やスムーズな動作をサポートすることが期待できます。
症状の緩和に役立つ指圧マッサージ
指圧やマッサージによる手技療法は、脊髄小脳変性症の患者様が感じる肉体的な苦痛や不快感を取り除く上で、極めて直接的な役割を果たします。特に「酩酊歩行」や「痙性(けいせい)」による足の突っ張りがある場合、腰や脚の筋肉には健常な方の何倍もの負担がかかっています。
指圧マッサージの目的は、こうした過重負担によって硬く結び目(索状物)のようになった筋肉を、丁寧な圧で解きほぐすことにあります。筋肉が柔軟性を取り戻すと、関節の可動域が広がり、リハビリテーションの効果も高まります。さらに、人の手による温かな触覚刺激は、長期間の闘病で緊張しがちな自律神経のバランスを整え、深いリラックス効果をもたらします。睡眠の質が向上し、心身の疲労が回復しやすくなることは、進行性疾患と向き合う気力を維持するためにも不可欠な要素です。副作用の心配が少なく、日々の「不快な張り」をその場で緩和できるマッサージは、生活に寄り添うケアとして大きな価値があります。
豊島区機能回復券の交付と利用対象者
豊島区では、身体に障害をお持ちの方や難病を患っている方が、少しでも健康な生活を継続できるよう、独自の公的支援として「機能回復券」を交付しています。これは、豊島区が指定した施術所で「はり・きゅう・マッサージ・指圧」の施術を受ける際に、費用の一部を助成してもらえる制度です。
交付の対象となるのは、身体障害者手帳1級〜4級の肢体不自由の方、戦傷病者手帳の一定以上の等級の方、そして「難病患者福祉手当」の受給者です。脊髄小脳変性症および多系統萎縮症(MSA)は国の指定難病であり、手当の対象に含まれるため、受給者であれば機能回復券の交付を受けることが可能です。年間最大12枚(月に1回分相当)が交付され、1回あたりの自己負担額はわずか300円となります。こうした制度を活用することで、経済的な負担を抑えながら、鍼灸やマッサージによる継続的な身体メンテナンスを取り入れることができます。申請方法や利用可能な施術所については、区の窓口や当院へお気軽にご相談ください。
*池袋東口:癒しの森指圧鍼灸院で機能回復券をご利用の方はこちらのページをご覧ください
脊髄小脳変性症:医原病と生活習慣からの考察
添付文書に見る医薬品副作用と小脳萎縮
脊髄小脳変性症のような運動失調の症状が現れた際、それが必ずしも進行性の変性疾患だけが原因とは限りません。私たちが日常的に、あるいは治療のために服用している医薬品の副作用として、小脳機能の低下や器質的な変化が引き起こされるケースが公的な文書でも報告されています。各医薬品の「添付文書」を確認すると、特に神経系に作用する薬剤においてそのリスクが明文化されていることがあります。
具体的には、てんかんの治療に用いられるフェニトイン(アレビアチン)などの抗てんかん薬や、躁うつ病などの治療に使われるリチウム製剤、さらには一部の抗がん剤や抗不安薬、睡眠薬などが挙げられます。例えばフェニトインの添付文書では、単なる一時的なふらつきではなく「小脳萎縮」という言葉で副作用が記載されています。これは長期的な服用によって小脳そのものが物理的に小さくなる可能性を示唆しており、その結果として構音障害や運動失調が固定化してしまう危険性を孕んでいます。リチウム製剤においても「リチウム中毒」の一症状として、深刻な運動障害が起こることが記されています。これらの事実は、原因不明とされる運動失調の背景に、過去から現在に至るまでの薬剤服用歴が深く関与している可能性を浮き彫りにしています。
「原因不明」とされている症例とワ〇チン報告
医学的に検査を尽くしても血管障害や腫瘍、明らかな遺伝的要因が見つからない場合、多くの症例は「原因不明」あるいは「特発性」として処理されてしまいます。しかし、近年の医学論文や副作用報告に目を向けると、そこにはこれまで見過ごされてきた一つの可能性が示されています。それが、ワ〇チン接種後に急性または亜急性に発症する小脳性運動失調の事例です。
例えば、麻疹・風疹混合(MR)ワ〇チンや水痘ワ〇チン、あるいはBCGといった一般的なワ〇チンの接種後に、稀ではありますが小脳機能に異常をきたす症例が報告されています。水痘ワ〇チンの添付文書には、副作用の項目に「小脳性運動失調症」の記載が明確に存在します。これらは免疫応答が過剰に働いた結果として中枢神経系に一時的、あるいは持続的なダメージを与える医原性の一種と考えられます。現場の医師が必ずしもこれらの可能性を指摘するとは限りませんが、公的な記録や論文にはその事実が残されています。「原因不明」と診断された方の多くが、発症の直前にどのような医療介入を受けたのか、詳細な経緯を振り返ることは、病態の真の背景を紐解く上で非常に重要な視点となります。
独自考察:四毒 小麦の影響(グルテンの関与)
歯科医師・吉野敏明先生が提唱する「四毒(よんどく)」の理論に基づき、脊髄小脳変性症の進行と生活習慣の関係を深く考察すると、まず「小麦」に含まれるグルテンの影響が大きく浮かび上がります。小麦は現代の食生活に深く浸透していますが、そのタンパク質であるグルテンは、人によっては腸の粘膜を傷つけ、「リーキーガット(腸漏れ)」を引き起こす要因となります。
この腸壁の損傷により、本来は血液中に取り込まれるべきではない未消化の物質や毒素が体内に侵入すると、免疫システムはこれらを外敵と見なして過剰に攻撃を開始します。この際、体内で慢性的な炎症を引き起こす物質(TNF-αなどの炎症性サイトカイン)が増殖し、その火の手が血液脳関門を越えて脳や脊髄の神経系にまで波及することが懸念されます。この持続的な「免疫の暴走」こそが、小脳や脊髄の神経細胞を少しずつ変性させ、運動機能を奪っていく引き金になっているのではないかという推理が成り立ちます。健康に良いとされる食品を摂る前に、まずは炎症の元となるグルテンを断つことが、神経変性の進行を食い止めるための根本的なアプローチとして期待されます。
独自考察:四毒 植物油の影響(アルデヒドの関与)
四毒のもう一つであり、神経系に最も深刻なダメージを与える可能性があるのが「植物性の油」の摂取です。吉野先生の理論では、精製された植物油や、不飽和脂肪酸を多く含む油が加熱や体内の酸化プロセスを経て変質し、猛毒の「アルデヒド」を生成することが問題視されています。一般的に健康に良いとされるオリーブオイルや亜麻仁油、ココナッツオイルであっても、例外ではありません。
アルデヒドは極めて反応性が高く、細胞を直接破壊する毒性を持ちます。特に神経細胞においては、電気信号をスムーズに伝えるための絶縁体の役割を果たす「ミエリン鞘(ずいしょう)」を攻撃し、破壊してしまう可能性が示唆されています。実際に、無農薬のオーガニック食材にこだわり、良質な油として亜麻仁油などを毎日欠かさず摂取していた女性が、45歳という若さで多系統萎縮症(MSA)を発症したという事例もあります。これは、体に良いと信じて摂取し続けた油が、体内で酸化毒素へと変わり、長期間にわたって小脳や脊髄の神経を蝕んでいった結果であるとも解釈できます。グルテンによる免疫の炎症と、植物油による神経毒性が組み合わさることで、進行性の難病という病態が形作られている可能性を真摯に受け止める必要があります。
医療現場における食事問診の欠如
脊髄小脳変性症の診断を受ける際、病院で「最近どのようなものを食べていますか?」と詳しく聞かれた経験を持つ患者様は極めて稀ではないでしょうか。現代の西洋医学においては、神経変性疾患の原因を血管の詰まりや腫瘍、あるいは遺伝子といった「形に見える異常」に求めるのが通例です。そのため、それらが見当たらない場合には安易に「原因不明」と結論づけてしまいます。
しかし、アルコール中毒やビタミン欠乏が小脳にダメージを与えることは医学的常識です。それならば、日々の食事に含まれる小麦や酸化した植物油が、数十年の歳月をかけて神経を破壊していくという視点も当然持たれるべきです。多くの医療現場で、患者様の生活習慣、特に「何を食べているか」という問診が欠如していることは、難病の真の原因を突き止める機会を自ら放棄していると言っても過言ではありません。医薬品の副作用やワ〇チンによる免疫反応、そして誤った食習慣が重なり合って起こる病態に対し、単なる対症療法の薬を処方するだけでは不十分です。私たちは、自分の体が日々取り込むものが細胞や神経を形作っているという原点に立ち返り、医療に頼り切るだけでなく、自らの手で病を克服するための生活習慣の見直し、すなわち「四毒抜き」を検討する時期に来ているのです。
脊髄小脳変性症と向き合うための鍼灸・指圧マッサージと病態の総括
- 脊髄小脳変性症は小脳や脊髄の神経細胞が徐々に失われる進行性の神経難病である
- 主な症状は歩行時のふらつきやろれつが回らない構音障害などの運動失調である
- 国内の患者数は3万人を超え、孤発性と遺伝性の二つに大きく分類される
- 孤発性の代表例には多系統萎縮症があり、遺伝性にはSCA3やSCA6などがある
- 最新の知見では運動制御だけでなく情動や認知などの高次脳機能にも影響を及ぼす
- 現代医学の標準治療は対症療法が中心であり進行を止める根本治療は未確立である
- 薬物療法はTRH製剤などが用いられるが効果には個人差があり限定的である
- 鍼灸治療は深い筋緊張を緩和し体性感覚を整えることで動作の安定をサポートする
- 指圧マッサージは過重負担による筋肉のこわばりを解きほぐしQOLを向上させる
- 豊島区では難病患者に対し鍼灸マッサージ費用を助成する機能回復券を交付している
- 抗てんかん薬やリチウム製剤などの副作用として小脳萎縮や運動失調が起こり得る
- 原因不明とされる症例の背景に一部のワ〇チン接種後の免疫反応が関与する可能性がある
- 吉野敏明先生の理論ではグルテンによる慢性炎症が神経変性を招く一因と推理される
- 酸化した植物油から生じるアルデヒドが神経のミエリン鞘を破壊する毒性を持つ
- 医療現場で欠如している食事問診を重視し四毒抜きの生活習慣改善を検討すべき
