健康診断で「脂質異常症」という言葉を目にして、不安を感じていませんか?
かつて高脂血症と呼ばれたこの状態は、単に血中の脂質が高いだけでなく、そのバランスの異常が問題となります。多くの方が、食事の欧米化や運動不足が原因と考え、コレステロールと中性脂肪の役割について漠然とした理解にとどまっているかもしれません。しかし、近年の研究や医師の見解では、コレステロールに関する新たな見解が示され、従来の常識が覆されつつあります。なぜ脂質異常症患者が激増し、家族性高コレステロール血症という診断の背景には何があるのでしょうか。遠くイヌイットの食生活からヒントを得つつ、コレステロールと運動・食事の真の関係性を検証します。また、医師による問診や指導の現状、薬物治療の是非、そして最近話題の紅麹サプリの背景についても深く掘り下げていきます。
私たちは、働きすぎや「四毒」と呼ばれる食習慣が根本原因であると考え、それを止めることこそが重要だと提唱しています。本記事は、脂質異常症で鍼灸や指圧マッサージの可能性を探しているあなたへ、内臓機能と代謝への貢献、血流とリラックス効果を通じて、薬に頼らない根本解決へと導くための情報を提供します。
この記事のポイント
- 脂質異常症の一般的な理解と、コレステロールの新たな見解について
- 脂質異常症が激増した背景や、遺伝性ではない可能性について
- 従来の運動や食事指導、薬物治療、サプリメントに対する別の視点と注意点
- 鍼灸と指圧マッサージが脂質異常症の根本的な改善にどのように貢献するか
脂質異常症の根本原因と鍼灸・指圧マッサージの可能性
脂質異常症(高脂血症)とは
多くの方が健康診断で指摘される「脂質異常症」は、以前は「高脂血症」と呼ばれていました。なぜ名称が変わったのかというと、その病態が単に血中の脂質が高いだけではないからです。脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が基準値から外れて異常な状態にあることを指します。この病気は自覚症状がほとんどないまま進行しますが、そのまま放置すると動脈硬化を引き起こし、最終的に心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病気の原因となるため、非常に注意が必要です。ここで重要となるのは、異常な状態には「高すぎる」場合と「低すぎる」場合があるという点です。例えば、悪玉として知られるLDLコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態は「高」ですが、善玉と呼ばれるHDLコレステロールが少なすぎる状態も問題となります。従来の「高脂血症」という名称では、後者の「低い」状態を表現できませんでした。そのため、現在では血液中の脂質の値が全体的に「異常な状態」という意味で「脂質異常症」という名称が使われています。このため、あなたがもし健康診断で「高脂血症」と書かれていても、現在では脂質異常症と認識して間違いありません。これらの脂質バランスが崩れる主な原因は、遺伝的な要因もありますが、多くは食事の欧米化や運動不足といった生活習慣の乱れにあると言われています。
しかし、著名な医師である内海聡先生は、コレステロールに対する一般的な見解に疑問を呈しています。先生は、コレステロールが副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどの重要な原料であり、単なる悪役として扱われるのは医学界、製薬業界、マスメディアによる誤った情報操作の結果であると指摘しています。
内海先生は、血液中のコレステロールが減れば減るほど癌や感染症になりやすいという「常識」が医師の間では広く認識されていると述べています。NPO法人「医薬ビジランスセンター」で啓蒙活動を行う浜六郎氏が監修した「飲んではいけない薬」からの引用として、内海先生は「日本脂質介入試験(J-LIT)」の結果に言及しています。この臨床試験では、総コレステロール値が220以上の約5万人にコレステロール低下剤を6年間投与し、平均で約50コレステロール値が下がったものの、最も死亡率が低かったのは220~260の人々であったとされています。さらに、180未満に下がった人の死亡率は220~260の人の2.7倍に増加し、その40%が癌で死亡したと報告されています。
浜氏はまた、総コレステロール値が240~260の人が最長寿であるというデータや、85歳以上の高齢者で一番長生きしたのはコレステロール値が高いグループであったことを紹介していると内海先生は述べています。
内海先生の見解では、コレステロールが高いことによって得られるメリットとして、感染症や癌などの免疫に関する病気にかかりにくいことが挙げられます。ただし、あまりに高すぎれば当然動脈硬化のリスクは増すため、そのバランスを取ることが重要であると締めくくられています。
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」
| 項目 | 基準値 | 診断名(該当する場合) |
| LDLコレステロール(悪玉) | 140 mg/dL 以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| 120~139 mg/dL (境界域高LDLコレステロール血症) | ||
| HDLコレステロール(善玉) | 40 mg/dL 未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| トリグリセライド(中性脂肪) | 150 mg/dL 以上 | 高トリグリセライド血症 |
| Non-HDLコレステロール | 170 mg/dL 以上 | 高Non-HDLコレステロール血症 |
*Non-HDLコレステロール: 総コレステロールからHDLコレステロール(善玉)を引いた値で、LDLコレステロールに加え、悪玉リポ蛋白(VLDLコレステロール、IDLコレステロールなど)を総合的に評価する指標として注目されています。特に、トリグリセライドが高い場合や糖尿病の患者さんなどで重要視されます。
コレステロールと中性脂肪の役割
血液中に存在する主な脂質であるコレステロールと中性脂肪は、しばしば悪者扱いされますが、本来は私たちの体にとって不可欠な役割を担っています。中性脂肪は、主にエネルギー源として働いています。食事から摂取された糖質や脂質が体内で変換され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。これが貯蔵庫のような役割を果たし、運動時や飢餓状態などエネルギーが必要なときに分解されて利用されるのです。しかし、ただ単にエネルギーとして利用されずに過剰に蓄積すると、肥満や高トリグリセリド血症の原因となります。一方、コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの材料となる、生命維持に欠かせない重要な物質です。特にコレステロールは、その働きによって「悪玉」と「善玉」に分けられます。悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割を果たしています。これを理解した上で、善玉と呼ばれるHDLコレステロールは、逆に全身の細胞で使いきれずに余ったコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割を担っています。このように、両者は協力し合って体内のコレステロール量を調節しているため、どちらも欠かせない存在なのです。しかし、多くのLDLが増えすぎると血管の壁に溜まりやすくなり、動脈硬化を引き起こすため、「悪玉」と呼ばれてしまうのです。逆にHDLが少なすぎると、回収されないコレステロールが血管内に残りやすくなるため問題となります。
コレステロールに関する新たな見解
長年にわたり、卵などの食事から摂取するコレステロールが、血液中のコレステロール値を直接上げる最大の原因であるとされてきました。しかし、現在では、この見解が見直されつつあります。多くの医師は食事から摂るコレステロールを減らすよう指導してきましたが、実際は食事で摂取したコレステロールの全てがそのまま血中に吸収されるわけではありません。これには、リパーゼなどの酵素による消化・分解のプロセスが関係しています。むしろ、近年指摘されているのは、体内のコレステロール合成を促す要因の重要性です。例えば、私たちが多く摂取する糖質や、健康に良いとされてきた植物性の油(オリーブ油やアマニ油も含む)の過剰な摂取が、体内でコレステロールを合成する作用を強めるという見解があります。このため、単純に「卵を何個まで」という議論よりも、どのような食品の組み合わせを避けるか、という視点が重要になります。特に、吉野敏明先生の提唱する「四毒」(小麦、植物性の油、牛乳乳製品、甘い物)のような、精製された食品の過剰摂取が、現代の脂質異常症患者激増の背景にあるのではないかという見方も出てきています。たとえ最高級のオーガニック油であっても、その摂りすぎは体内で脂質代謝のバランスを崩す原因になりかねないのです。このように考えると、コレステロールに関する指導は、単なる脂質の量だけでなく、食生活全体、そして体の内部環境に目を向ける必要があると言えます。
脂質異常症患者が激増した背景
日本の脂質異常症患者は、この数十年間で驚くほど増加しています。直近の3年間だけでも患者数が1.8倍にも増えているというデータがあり、これは非常に深刻な問題です。なぜこれほど急速に患者が増えているのでしょうか。多くは、食生活の欧米化や運動不足が原因だと単純に説明されます。しかし、その裏には、私たちが「健康に良い」と信じて取り入れてきた食習慣が潜んでいる可能性があります。言ってしまえば、この激増の背景には「良い油は体に良い」という誤った情報による洗脳があったのではないかという見解があります。例えば、オリーブオイルやアマニ油などの植物性油は体に良いと広く宣伝され、サラダや料理に大量に使われるようになりました。しかし、吉野敏明先生が提唱する「四毒」の一つとして、これらの精製された植物性の油が挙げられています。たとえ最高級の油であっても、その過剰な摂取が体内で脂質代謝のバランスを崩し、結果としてコレステロール値の上昇を引き起こしている可能性があるのです。このため、脂質異常症の増加は、単なる遺伝や体質の問題ではなく、情報に踊らされて広まった食習慣の変化が、根本的な原因であると考えることができます。単純に脂質を減らすのではなく、何を、どのように摂取しているかを見直すことが、激増の背景を理解する鍵となります。
家族性高コレステロール血症について
あなたのコレステロール値が高いのは「家族性ですね、遺伝です」と、医師から説明を受けたことがあるかもしれません。しかし、前述の通り、脂質異常症患者が短期間で急激に増加していることから、その大半が遺伝によるものではないという考え方があります。本来の家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝子の変異が原因で起こる疾患であり、生まれつきLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の処理能力が極端に低い状態を指します。この病気は非常に稀で、その頻度は500人に1人程度と言われています。もし本当に遺伝性であれば、3年で患者が1.8倍も増えるという現象は説明がつきません。ここで、真のFH患者に現れる具体的な身体的特徴についても触れておきましょう。それは、アキレス腱に脂肪が溜まってコブができるアキレス腱肥厚や、まぶたの下などに黄色い脂肪の塊ができる黄色腫(おうしょくしゅ)といった所見です。これらの明確な症状がない限り、家族全員でコレステロール値が高い場合は、遺伝ではなく、単に家族全員が同じ誤った食生活(四毒の摂取)を続けている可能性が高いのです。薬物治療に頼る前に、まずは食生活という環境要因が本当に原因ではないか、冷静に疑う姿勢が大切です。
イヌイットの食生活から学ぶこと
コレステロールや脂質に関する従来の常識を覆すヒントは、伝統的な食生活を送ってきた民族の例に見ることができます。その中の一つに、イヌイットの食生活があります。グリーンランドに住むイヌイットは、アザラシやクジラ、魚介類といった動物性脂肪を非常に多く摂取する食生活を送っています。彼らの食事のカロリーの多くを脂質が占めており、これは西洋医学の常識から見れば、高コレステロール血症や動脈硬化の患者が激増してもおかしくないはずです。しかし、古くからその食生活を送ってきたイヌイットには、心筋梗塞などの心臓病が非常に少ないという事実が報告されていました。なぜこのような矛盾が生じるのか、その理由は、彼らが摂取している脂肪が、主にオメガ3系脂肪酸(DHAやEPAなど)を多く含む魚の油や海獣の油であるためだと考えられています。ここで重要なのは、彼らが大量に脂質を摂取しているにもかかわらず健康であるという点ではなく、彼らの食生活に精製された糖質や植物性の油がほとんど存在しなかったという点です。これは、単に「油を減らす」ことよりも、「どのような種類の油と、どのような食品を同時に摂取しているか」が、脂質異常症においてよりクリティカルな問題であることを示唆しています。彼らの例は、現代人が大量に摂る精製食品(四毒)こそが、真の問題の核心にあるのではないかという問いを私たちに投げかけています。
脂質異常症を根本解決!鍼灸・指圧マッサージで心身を整える

コレステロールと運動・食事の検証
長年にわたり、コレステロール値の改善には「運動」が不可欠であると指導されてきました。もちろん、適度な運動は健康維持に大切です。しかし、ここではコレステロール値に対する運動と食事の真の効果について検証します。多くの人は、スポーツクラブに通い激しい運動をしても、なかなかコレステロール値が下がらないという経験をしています。一方で、運動をほとんどしなくても、特定の食品を断つだけで劇的にコレステロール値や中性脂肪が改善したという事例が多く報告されています。このことから、血液中の脂質の値は、運動量よりも何を食べるかという食習慣に、より強く影響されることがわかります。特に、精製された小麦、植物性の油、牛乳乳製品、そして砂糖などの甘い物といった「四毒」を排除した食生活を送ることが、数値改善への最も簡単で効果的な道であるという見解があります。なぜならば、これらの精製食品は、体内で脂質合成を促進したり、炎症を引き起こしたりする原因となりやすいからです。いくらハードな運動をしても、同時に体内で脂質代謝を乱すものを摂取し続けていれば、その努力は報われにくいのです。このように考えると、まずは食事を見直すことが、運動をするよりも優先順位が高いといえるでしょう。

医師による問診と誤った指導
脂質異常症と診断された際、あなたは医師からどのような問診を受けましたか。残念ながら、多くのケースで、医師による詳細な食生活の問診が十分に行われていない現状があります。大抵の場合、「脂っこいものを控えてください」といった抽象的な指導か、「体質だから」という理由で片付けられ、すぐに薬物治療へと移行されることが多いのです。加えて、過去には誤った食の指導が広く行われていたという問題もあります。例えば、以前は卵などのコレステロールを多く含む食品を極端に避けるよう指導されていましたが、これは現在では見直されつつあります。さらに深刻なのは、「健康に良い」とされる特定の油を推奨する指導です。アマニ油やオリーブオイルといった植物性油を積極的に摂るよう勧められ、それを実践したにもかかわらず、かえってコレステロール値が改善しなかったというケースが少なくありません。これは、前述の通り、精製された植物性の油そのものが脂質異常症の原因となりうるという新たな見解と矛盾するものです。このため、あなたがもし指導通りに「良い油」を摂っていたのに改善しなかった場合、それはあなたの体質や努力不足ではなく、提供された情報や指導そのものが、現在のあなたの体には合っていなかった可能性を疑うべきです。
薬物治療の是非と紅麹サプリの背景
脂質異常症の標準的な治療法は、LDLコレステロールを下げるためのスタチン(リピトール、クレストール)などの薬物治療です。これらの薬は強力にコレステロール値を下げる効果がありますが、一度飲み始めると、多くの場合、一生飲み続けなければならないという注意点があります。薬物治療の是非を考える上で、問題の根本は本当にコレステロール値の「高さ」だけにあるのかという疑問があります。多くの場合、患者さんの生活習慣を見直さずに、数値だけを下げる対症療法になっているからです。ここで、最近注目を集めた紅麹サプリメントの摂取背景について考えてみましょう。多くの人が紅麹サプリメントを摂取したのは、「薬は飲みたくないが、なんとかしてコレステロール値を下げたい」という切実な思いからです。これは、薬物治療への抵抗感や、根本的な原因に目を向けない治療への不信感の表れとも言えます。コレステロールを下げる必要性が叫ばれる一方で、その手段として薬やサプリメントに頼る前に、まずは「四毒」の摂取を止めるという、根本的な生活習慣の改善を試みることが重要です。もちろん、すぐに薬を止めるのは危険ですが、生活習慣を改善することで、将来的には薬の減量や中止が可能になる道を探るべきだと言えるでしょう。
鍼灸治療は内臓機能と代謝への貢献
鍼灸治療は、脂質異常症の改善に対して、単なる対症療法ではなく、内臓機能の根本的な調整を通じて貢献します。東洋医学の考え方では、脂質異常症の原因を、肝臓や消化器系(脾・胃)の働きが低下し、体内の「気・血・水」のバランスが崩れた状態として捉えます。鍼灸は、体の特定のツボを刺激することで、この乱れたバランスを整え、内臓の働きを活性化させます。例えば、肝臓はコレステロールの生成・代謝を担う重要な臓器ですが、鍼やお灸による刺激は、神経を介して内臓に作用する体性内臓反射という仕組みを利用し、肝機能の負担を減らすことが期待できます。ここで重要なのは、鍼灸が体質の改善を得意としているという点です。体全体の血流や代謝を向上させることで、血液中の脂質が処理されやすい環境を作り出します。あなたがもし、ストレスや慢性的な疲労からくる自律神経の乱れを感じているのであれば、鍼灸はそれを整え、結果的に脂質代謝の改善を間接的にサポートしてくれるでしょう。当然ながら、鍼灸治療を受けるだけで食生活の乱れが帳消しになるわけではありません。しかし、根本的な食習慣の見直しと並行して行うことで、その効果を最大限に引き出す補助的な手段となります。
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指圧マッサージは血流とリラックス効果
指圧マッサージは、鍼灸のような内臓機能への直接的な刺激よりも、体の表面にある筋肉やツボをほぐすことを通じて、脂質異常症の改善をサポートします。最も大きな貢献は、全身の血行促進とリラックス効果です。私たちの体がストレスを感じたり、長時間同じ姿勢を取り続けたりすると、筋肉が緊張して血管が圧迫され、血流が悪化します。血流が悪くなると、代謝が低下し、血液中の余分な脂質や老廃物が滞りやすくなります。指圧マッサージは、この凝り固まった筋肉の緊張を緩め、血液の流れをスムーズに戻す作用があります。これにより、細胞への酸素や栄養の供給が改善し、基礎代謝の向上につながります。一方で、現代社会では、ストレスや不安が自律神経を乱し、過食や不規則な生活の原因となることが少なくありません。指圧による心地よい刺激は、自律神経の副交感神経を優位にし、心身を深いリラックス状態へと導きます。睡眠の質が向上し、ストレスが軽減されることで、結果的に脂質代謝に悪影響を及ぼす生活習慣の乱れを防ぐ効果も期待できます。このように、指圧マッサージは、直接的にコレステロール値を下げるわけではありませんが、脂質異常症を引き起こす体調やストレス要因を間接的に解消する、非常に有効な手段であると言えます。
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働きすぎと四毒を止め根本解決を目指す
繰り返しますが、脂質異常症の根本的な解決を目指すには、数値だけを下げる対症療法ではなく、病気の原因となる生活習慣を断つことが不可欠です。その原因は安保徹先生が提唱した3過ぎ「働きすぎ」「悩みすぎ」「薬の飲みすぎ」、そして吉野先生の提唱する「四毒の摂りすぎ」に集約されます。四毒とは、精製された小麦、植物性の油(オリーブ油やアマニ油も含む)、牛乳乳製品、そして砂糖などの甘い物のことです。これらを継続的に摂取することが、体内で脂質代謝を乱し、炎症を引き起こす主な要因となっていると考えられます。これらの有害な食品の摂取を止め、根本的な食習慣の見直しを行うことが、何よりも重要です。その上で、鍼灸や指圧マッサージの役割が活きてきます。私たちは、食生活の改善という最も難しい取り組みを継続するための体調と心のサポートを提供します。心身をリラックスさせ、自律神経を整えることで、過食やストレスによるリバウンドを防ぎ、代謝を高めます。こうして、体の中から病気を治そうとする力を引き出すことが、当院が目指す根本解決です。もちろん、薬物治療をすぐに中止することはできませんが、医師と相談しながら、将来的な減薬・断薬を目指せる体質へと変えていくことが、私たちが提供できる最大の貢献なのです。
脂質異常症の根本解決には鍼灸・指圧マッサージが有効
- 脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が基準値から外れた異常な状態を指す
- 自覚症状なく進行し、放置すると動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞の原因となる
- 内海聡医師は、コレステロールが副腎皮質ホルモンや性ホルモンの重要原料だと指摘
- コレステロール低下剤の臨床試験で、値が低いほど癌死亡率が増加したとの報告がある
- 動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、LDLコレステロール140mg/dL以上などを異常値とする
- コレステロールと中性脂肪は、細胞膜やホルモンの材料、エネルギー源として不可欠な役割を持つ
- 卵など食事からのコレステロール摂取より、糖質や特定の植物性油の過剰摂取が体内合成を促す
- 吉野敏明医師は「四毒」(小麦、植物性の油、牛乳乳製品、甘い物)が脂質異常症激増の背景にあると提唱
- 日本の脂質異常症患者は短期間で急増しており、遺伝だけでなく食生活の変化が大きく影響している
- 真の家族性高コレステロール血症は稀で、アキレス腱肥厚や黄色腫といった明確な症状を伴う
- イヌイットの食生活は、精製された糖質や植物性油の摂取がないことが心臓病の少なさと関連
- コレステロール値の改善には、運動よりも「何を食べるか」という食習慣の見直しが重要である
- 医師の問診では食生活の指導が不十分な場合があり、誤った油の推奨が問題となることもある
- 薬物治療は対症療法であり、根本原因の解決には生活習慣の改善が不可欠である
- 鍼灸は内臓機能の調整と体質改善を通じて、指圧マッサージは血行促進とリラックス効果で脂質異常症の改善をサポートする
