ファブリー病の自律神経症状を鍼灸・指圧マッサージで整える

ファブリー病の自律神経症状を鍼灸・指圧マッサージで整える

ファブリー病(指定難病19)と診断され、手足の激しい痛みや自律神経の不調に悩んでいませんか。この病気は、遺伝子異常によるα-ガラクトシダーゼA酵素の欠損が原因で老廃物が全身に蓄積し、血管や神経に症状が現れます。標準治療に加え、解消されない疼痛や疲労感に苦しむ患者さんも多くいらっしゃいます。

当記事では、ファブリー病の症状と鍼灸・指圧マッサージでできることについて解説します。鍼灸による過緊張の緩和や、疼痛発作に配慮した指圧施術が、どのように症状安定化を支えるのかを探ります。また、安保徹先生が提唱する病気の3大原因や、四毒との関連といった生活知識、薬剤(医現病)の添付文書記載に関する誤解についても触れます。

特に豊島区にお住まいの方へ、鍼灸・指圧の助成制度である豊島区機能回復券のご利用方法と自己負担を詳しく解説します。急性期と寛解期で異なる施術のスタンスを理解することで、あなたの病状に合わせた適切なケアが可能です。記事を通して、ファブリー病のケアと公的支援の活用で、より良い生活を送るためのヒントが得られることでしょう。

この記事のポイント

  • ファブリー病の遺伝的メカニズムと、疼痛や自律神経症状が起こる老廃物(Gb3)蓄積の仕組み
  • 鍼灸・指圧マッサージが、交感神経の過緊張緩和と血流改善を通じて症状の安定化に役立つこと
  • 患者の病状(急性期と寛解期)に合わせて施術のスタンスや刺激の強さを変えるべきであること
  • 豊島区機能回復券という公的助成制度の具体的な利用条件と、当院での券2枚利用による全身調整の方法
目次

ファブリー病の症状と鍼灸・指圧マッサージでできること

ファブリー病に悩む女性

ファブリー病とは:遺伝と酵素欠損

ファブリー病は、生まれつき持っている遺伝子の異常によって発症する、稀な遺伝性疾患のひとつです。ここで大切なのは、この病気が細胞の仕組みと深く関わっているという点です。人の体は、毎日何十兆もの細胞が新しい物質を作り、古い物質を分解し再利用するという新陳代謝を繰り返して健康を保っています。古くなった物質を分解する「お掃除役」の場所が、細胞内にあるライソゾームという小器官なのです。ライソゾームの中には、数多くの分解酵素が存在していますが、ファブリー病の患者さんは、このうちのα-ガラクトシダーゼAという特定の分解酵素が、遺伝子の変異によって欠損している、もしくはその働きが低下している状態にあります。そのため、本来分解されるべき脂質の一種(グロボトリアオシルセラミド:Gb3)がライソゾーム内にどんどん蓄積していきます。この蓄積された老廃物によって細胞の働きが妨げられ、さまざまな臓器の機能が悪化していくのがファブリー病の本質です。現在、約50種類のライソゾーム病が知られていますが、ファブリー病はそのうちの一つで、性別に関わらず遺伝するX連鎖性遺伝形式をとることが特徴です。

原因:なぜ全身に症状が出るのか

それでは、なぜ特定の酵素が欠損するだけで、全身に症状が出てくるのでしょうか。その理由は、老廃物であるGb3が、特に血管の内側にある細胞(血管内皮細胞)や、神経細胞、腎臓の細胞、心臓の細胞など、体の重要な場所の細胞に広範に蓄積してしまうからであります。この老廃物が蓄積すると、まず血管の内皮細胞が正常に機能できなくなってしまいます。これにより、血管が詰まりやすくなったり、血流が悪くなったりするのです。また、神経細胞に老廃物が蓄積すると、手足の末端に耐え難いほどの激しい痛み(疼痛発作)を感じるようになったり、体温調節がうまくできないといった自律神経の異常を引き起こします。さらに、心臓や腎臓といった生命維持に直結する臓器の細胞にも蓄積が進むため、心臓が肥大したり(肥大型心筋症)、腎機能が低下して腎不全に陥ったりする重篤な合併症を引き起こすことがあります。最初は無症状であっても、この蓄積は年齢とともに徐々に進行していくため、症状も進行性で悪化していくことが、この病気の大きな特徴なのです。そのため、病気が進行する前に早期に診断し、治療を開始することが極めて重要となります。

標準治療:酵素補充やシャペロン療法

現在のファブリー病の標準治療には、主に二つのアプローチがあります。一つは酵素補充療法です。前述の通り、ファブリー病は体内で酵素が不足していることが原因ですから、不足しているα-ガラクトシダーゼA酵素を点滴で体外から定期的に補う方法をとります。これまでの研究から、この補充療法は血管内皮細胞などに蓄積した老廃物を取り除き、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。この治療法は、効果を維持するために原則として生涯にわたり定期的な点滴を継続していく必要があります。もう一つは、シャペロン療法という治療法です。これは、特定の遺伝子変異を持つ患者さんに限られますが、薬を口から飲むことによって、体内に存在する異常な酵素を安定化させ、本来の酵素の働きを持たせるようにする治療法であります。シャペロン療法は内服薬であるため、患者さんの負担が少なく、また、薬によっては脳へも到達して効果を示すことが期待されます。しかし、全ての患者さんに効果があるわけではなく、遺伝子変異の種類によって使用できるかどうかが決まるのです。これら以外にも、現在では蓄積の原因物質の生成を減らす基質削減療法や、将来的な治療法として遺伝子治療が海外で治験段階にあります。これらの治療は、全て専門医の診断と指導のもとで行われ、症状の進行を遅らせ、患者さんの生活の質(QOL)を維持することを目的としています。

鍼灸治療:過緊張の緩和と症状安定化

鍼灸治療は、ファブリー病患者さんの主要な症状である疼痛と自律神経の不調に対して、標準治療を補完する形で有効である可能性があります。なぜならば、ファブリー病では、特に手足の痛みや発汗異常などの症状が、老廃物の蓄積による末梢神経や自律神経の障害から生じているためです。鍼灸は、全身のツボを刺激することで自律神経のバランスを整える作用がある古くからの治療法です。特に、交感神経が過度に緊張している状態を緩和し、副交感神経優位の状態へ促すことが期待できます。このように、神経系の過緊張が緩和されれば、血管が拡張し、全身の血流が改善されます。そのことに、患者さんが訴える灼熱感のような痛みの緩和や、体調の安定化につながると考えられます。ただし、鍼灸治療を行う際には、刺激量を極力抑えることが非常に重要です。いくら治療効果が期待できるとはいえ、強い刺激はかえって痛みの発作を誘発したり、患者さんの体を疲弊させたりする危険性があるのです。そのため、鍼を皮膚に接触させる程度の軽い刺激や、非常に細い鍼を使うなど、患者さんの体調を最優先した穏やかなアプローチを選択することが、鍼灸治療の成功の鍵となります。

指圧マッサージ:疼痛発作に配慮した施術

指圧マッサージは、ファブリー病の患者さんが感じる筋肉の緊張や全身の疲労感を和らげるのに役立ちますが、施術においては最大限の配慮が必要となります。特に注意が必要なのは、この病気特有の激しい疼痛発作(アクロパレステジア)への対応です。患者さんは、手足の末端に焼けるような痛みを訴えることが多く、この痛みの部位に直接、強い圧迫を加えることは絶対に避ける必要があります。なぜならば、わずかな圧でも痛みが誘発され、発作が悪化する可能性があるからです。そのため、指圧マッサージを行う際は、全身の血流改善リラックス効果を目的として、体幹や四肢の遠位(痛みのある場所から遠い)部分から、非常に穏やかでソフトなタッチで行うべきです。ここでは、筋肉を深く揉みほぐすことよりも、皮膚や浅層の筋肉に優しく触れて緊張を解き、患者さんの精神的な安心感を引き出すことを優先します。また、マッサージによって体温が上がりすぎると、これもまた疼痛を誘発する因子となり得るため、室温や施術時間を慎重に管理することが求められます。他の例であれば、リラクゼーションを重視した施術で、患者さんの自律神経の安定化を図り、全身のQOL向上を目指すことが適切なアプローチと言えるでしょう。

安保徹先生の病気の3大原因 働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎの影響

免疫学者である安保徹先生が提唱された、「働きすぎ、悩みすぎ、薬の飲みすぎ」が病気の3大原因となり、交感神経の過緊張を引き起こすという考え方は、ファブリー病の患者さんの症状管理において非常に示唆に富みます。前述の通り、ファブリー病は遺伝性の疾患であり、この3大原因が病気の根本原因になることはありません。しかし、交感神経が過緊張した状態は、ファブリー病の症状、特に疼痛発作や自律神経失調症状を悪化させる強力な増悪因子となりうるのです。例えば、仕事の過労(働きすぎ)や精神的ストレス(悩みすぎ)によって交感神経が優位になると、末梢の血管が収縮し、末端神経への血流がさらに悪化して、痛みが強くなる可能性があります。また、多くの薬を服用すること(薬の飲みすぎ)による内臓への負担も、全身の疲労や免疫のバランスに影響を与えかねません。だからこそ、鍼灸や指圧マッサージといった代替療法では、このストレスによる過緊張状態を緩和し、副交感神経の働きを促進することに重点を置くのです。これらの理由から、ファブリー病の治療薬が効きにくい疼痛や倦怠感に対し、この3大原因を生活から見直し、交感神経の緊張を解く施術を提供することが、患者さんの症状安定化に不可欠なサポートとなるのです。

ファブリー病患者さんの症状を支える施術と公的支援

豊島区機能回復券:鍼灸・指圧の助成制度

豊島区にお住まいで、ファブリー病と診断されている患者さんにとって、この豊島区機能回復券は鍼灸や指圧マッサージの施術費用を助成してくれる非常に有益な制度です。これは、指定難病を含む特定の疾患を持つ方が、日常生活における機能回復や維持のために、はり・きゅう・マッサージ・指圧の施術を継続して受けやすくすることを目的としています。この助成制度の対象となるのは、身体障害者手帳を持つ方や、難病患者福祉手当を受けている方など、一定の条件に該当する方々です。ここで大切なのは、ファブリー病は指定難病の一つですから、難病患者福祉手当の受給資格を満たしていれば、この機能回復券の交付対象となり得るという点です。券は、豊島区の契約業者として登録されている施術所でのみ利用が可能であり、癒しの森指圧鍼灸院もこれに該当します。交付枚数は年間で12枚となっており、原則として毎月1枚利用できる計算になります。ただし、入院中や施設入所中の方は対象外となるため、在宅で療養されている方に限って適用される制度となっています。この助成制度を適切に活用することで、経済的な負担を軽減しつつ、継続的な体調管理が可能となるのです。

豊島区機能回復券のご利用方法と自己負担

豊島区機能回復券を当院で利用いただく場合、患者さんの自己負担額は1回あたり300円と定められています。この300円は施術費用の一部であり、残りの大部分は豊島区が助成するという仕組みです。そのため、保険適用外である指圧マッサージや鍼灸治療を、少ない自己負担で受けることが可能となります。ここで、豊島区から交付される券は年間12枚であり、これは区の想定では毎月1回、年間12回のご利用を想定したものです。しかし、当院では患者さんの体調改善と全身のバランス調整を重視しているため、券の活用方法を工夫しているのです。具体的には、券を2枚同時にご利用いただき、合計50分・自己負担600円(鍼灸の場合別途1,100円必要)で全身調整の施術を受けていただくことが可能です。短い25分間の局所施術よりも、50分かけて全身を調整するほうが、ファブリー病患者さんの自律神経の安定化や疼痛の緩和に対して高い効果が期待できるからです。この2枚利用の場合、年間では合計6回の施術が可能となります。また、毎月来院して継続的にケアを受けたいという患者さんのために、券1枚(25分、自己負担300円、鍼灸の場合1,400円)をご利用いただき、施術時間に応じて実費を追加していただくことで、より充実した施術を受けていただくことも可能です。患者さんのご希望と症状に応じて、券の利用方法を柔軟に選択できることが、当院の大きな特徴の一つとなっています。

池袋東口:癒しの森指圧鍼灸院で機能回復券をご利用の方はこちらのページをご覧ください

急性期と寛解期で異なる施術のスタンス

ファブリー病の患者さんご自身の体調によって、鍼灸や指圧マッサージの受け方は大きく変える必要があります。病状が安定している寛解期と、手足に激しい痛みが起きている急性期とでは、施術の目的や方法が全く異なるのです。症状が落ち着いている寛解期であれば、施術の目的は主に全身の疲労回復や自律神経のバランスを維持し、疼痛発作の予防に重点を置きます。この時期は、機能回復券を活用して、月に1回程全身または局所の調整を受けていただくことが基本となります。一方、もし手足の末端に耐え難い灼熱痛などの発作(急性期)が起きている場合は、状況が大きく異なります。このような発作が起きているときは、わずかな接触や強い刺激でも痛みが悪化する可能性があるため、指圧マッサージや鍼灸治療は慎重に、そして穏やかに行う必要があります。もし施術を受ける場合であっても、強い圧や温熱刺激は避けて、接触鍼のような、ほとんど刺激を感じないごく軽いアプローチに留めることをおすすめします。当院では、患者さんの「今」の痛みのレベルを最優先に考え、無理のない、体に負担をかけない施術を選択しますので、安心してご相談ください。

四毒(小麦、植物性の油、牛乳・乳製品、甘いもの)との関連

吉野敏明先生が提唱する「四毒」、すなわち小麦、植物性の油、牛乳・乳製品、甘いものといった食品を避けるという考え方は、ファブリー病そのものを治癒させるための食事療法ではありません。なぜならば、ファブリー病は遺伝子の異常によって引き起こされる先天性の疾患であり、これらの食品が直接的な原因となって発症するわけではないからです。しかし、これらの食品は、体内の慢性的な炎症や酸化ストレスを増大させる可能性があるという点で、ファブリー病の症状や合併症の進行に間接的な影響を与える可能性が指摘されています。例えば、甘いものの過剰摂取は血糖値を急激に上げ、AGEs(終末糖化産物)の生成を促進します。これらは血管に炎症を引き起こし、すでに血管障害を持つファブリー病患者さんの症状を悪化させる一因となり得るのです。また、オメガ6脂肪酸の含有量が多い特定の植物油は、炎症反応を促進すると言われています。したがって、これらの「四毒」を極端に排除するのではなく、摂取量を適切にコントロールすることは、血管や心臓、腎臓の健康を維持し、全身の炎症レベルを抑えるための補助的な手段として有効に機能すると考えられます。栄養指導を行う際は、標準治療を継続しつつ、炎症を抑える食事を心がけるよう患者さんに提案することが望ましいでしょう。

ファブリー病を起こす薬剤(医現病)の添付文書記載

ファブリー病は遺伝子の異常に基づく疾患であり、特定の薬剤やワクチンが原因となってこの病気が新たに発症するという医学的な報告や、医薬品添付文書への記載はありません。医薬品の添付文書というものは、その薬の効能効果や副作用、相互作用など、適正に使用するために必要な情報が厳密に記載されている公的な文書です。この文書に「ファブリー病を引き起こす」という旨の記述は存在しないのです。ただし、医薬品の添付文書に「ファブリー病」という言葉が記載されるケースはあります。一つは、ファブリー病そのものの治療薬(酵素補充療法薬やシャペロン療法薬)の添付文書です。これらの文書には、その薬の効果や、投与中に起こり得る副作用(アナフィラキシーなどの重篤な反応を含む)が詳細に記載されています。もう一つは、ファブリー病の合併症や症状を緩和するために用いられる薬(疼痛治療薬、降圧薬など)の添付文書です。この場合、ファブリー病患者さんへの使用例や注意点が記載されることはありますが、薬が病気の原因になるわけではありません。繰り返しますが、ファブリー病は先天的な酵素の異常が原因であるため、「薬剤性のファブリー病」として新たに発症することは考えられていません。

結論:ファブリー病と豊島区機能回復券の活用

ファブリー病は、遺伝子の異常に起因する難病であり、標準治療による継続的な管理が必要な疾患です。しかし、鍼灸治療や指圧マッサージは、老廃物の蓄積による末梢神経の痛みや、自律神経の過緊張といった、標準治療だけでは対応しきれない症状の緩和と体調の安定化に大きく貢献できる可能性があります。特に、当院が提供している指圧マッサージや鍼灸治療は、交感神経の過緊張を緩和し、全身の血流を改善させることで、患者さんのQOL向上を支える大切な手段となり得るのです。そして、この継続的な施術を可能にするのが、豊島区機能回復券という公的な助成制度です。これは、ファブリー病を含む難病患者さんを対象に、鍼灸・指圧マッサージの施術費用を月1回、自己負担300円で助成する制度であり、経済的な負担を軽減し、継続的な治療をサポートします。ファブリー病と診断され、豊島区にお住まいの方は、この制度を利用して、是非とも当院での指圧マッサージまたは鍼灸治療をご活用ください。心身両面からのケアを通じて、症状の安定と日常生活の質の維持を目指しましょう。

豊島区機能回復券のご利用方法と自己負担

豊島区にお住まいのファブリー病患者さんにとって、当院の指圧マッサージや鍼灸治療を経済的な負担少なく受けていただくために、豊島区機能回復券という制度をご活用いただけます。この機能回復券を使って施術を受ける場合、あなたが窓口でお支払いいただく自己負担額は、1回あたり300円と定められています。この300円は施術費用の一部であり、残りの大部分は豊島区が助成してくれる仕組みです。そのため、保険適用外である指圧マッサージや鍼灸治療を、少ない自己負担で受けることが可能となります。ここで、豊島区から交付される券は年間12枚であり、これは区の想定では毎月1回、年間12回のご利用を想定したものです。しかし、当院では皆さまの体調改善と全身のバランス調整を重視しているため、券の活用方法を工夫しているのです。具体的には、券を2枚同時にご利用いただくことで、合計50分・自己負担600円(鍼灸の場合は別途1,100円必要)で全身調整の施術を受けていただくことが可能です。短い25分間の局所施術よりも、50分かけて全身の自律神経のバランスを整えるほうが、ファブリー病患者さんの疼痛の緩和などに対して高い効果が期待できるからです。この2枚利用の場合、年間では合計6回の施術が可能となります。また、毎月来院して継続的にケアを受けたいという患者さんのために、券1枚(25分、自己負担300円、鍼灸の場合1,400円)をご利用いただき、施術時間に応じて実費を追加することで、より充実した施術を受けていただくことも可能です。患者さんのご希望と症状に応じて、券の利用方法を柔軟に選択できることが、当院の大きな特徴の一つとなっています。

急性期と寛解期で異なる施術のスタンス

あなたが鍼灸や指圧マッサージを受ける際、病状が落ち着いているとき(寛解期)と、痛みが強く出ているとき(急性期)とで、施術の方法や目的は大きく変わります。症状が安定している寛解期は、全身の疲労回復や自律神経のバランスを維持し、痛みの発作を予防することに重点を置いた施術を行います。このとき、機能回復券を上手く活用して、月に1回程度のペースで体の調整を継続することが、体調維持の基本となります。しかし、もし手足の末端に耐え難い灼熱痛といった発作(急性期)が起きている場合は、状況が全く異なります。このような発作が起きているときは、わずかな接触や強い刺激が、かえって痛みを悪化させる可能性があるのです。そのため、急性期には指圧マッサージや鍼灸治療は慎重に行う必要があり、強い圧や熱刺激は避けて、皮膚に触れる程度の「接触鍼」といった、ごく軽いアプローチに留めることをおすすめします。当院では、あなたの「今」の痛みのレベルを最優先に考え、体に負担をかけない、無理のない施術を選択します。たとえ痛みが強くても、施術者が安全な方法を選んでくれるので、安心してご相談ください。いくら鍼灸が自律神経に良いといっても、無理な刺激は避けるべきだからです。

結論:ファブリー病と豊島区機能回復券の活用

これまで見てきたように、ファブリー病は専門医による標準治療が不可欠な疾患です。しかし、日々の生活の質(QOL)を大きく左右する末梢神経の痛み自律神経の不安定さは、標準治療だけでは対応しきれないことも少なくありません。ここで、鍼灸や指圧マッサージといった施術が、あなたの生活を支える大切な存在となります。なぜならば、当院が提供する施術は、前述の安保徹先生の考え方にもあるような、交感神経の過緊張を緩め、全身の血流を改善し、あなたの持つ自然治癒力を高めることを目的としているからです。そして、このような継続的なケアを経済的な負担少なく受けていただくために、豊島区機能回復券という公的な助成制度があるのです。ファブリー病と診断されたあなたは、難病患者としてこの制度を利用できます。前述の通り、この券を活用すれば、当院の全身調整の施術を自己負担600円から受けていただくことが可能です。ファブリー病と診断され、豊島区にお住まいのあなたは、ぜひこの制度を利用して、当院の指圧マッサージまたは鍼灸治療をご活用ください。心と体の両面からのケアを通じて、症状の安定とより良い日常生活の維持を一緒に目指していきましょう。

ファブリー病の痛みと鍼灸・指圧マッサージ

  • ファブリー病は遺伝子の異常によりα-ガラクトシダーゼA酵素が欠損する稀な難病である
  • 本来分解されるべき脂質(Gb3)が細胞内のライソゾームに蓄積する
  • Gb3の蓄積により血管内皮細胞や神経細胞などが損傷を受ける
  • 全身の臓器、特に腎臓、心臓、神経系に進行性の機能障害を引き起こす
  • 手足の末端に耐え難い灼熱痛(疼痛発作)や自律神経の異常が主要な症状である
  • 標準治療は不足する酵素を補う酵素補充療法や内服薬のシャペロン療法がある
  • 鍼灸治療は末梢神経の痛みや自律神経の不調を補完的にケアできる可能性がある
  • 鍼灸は全身のツボを刺激し、交感神経の過緊張を緩和して血流改善を促す
  • 指圧マッサージは全身の疲労感や筋肉の緊張を和らげるのに役立つ
  • 疼痛発作中は強い刺激を避けるべきであり、施術は穏やかでソフトなタッチで行う
  • 安保徹先生の説にある過度なストレスや疲労は、ファブリー病の症状を悪化させる増悪因子になりうる
  • 豊島区機能回復券はファブリー病患者が鍼灸・指圧マッサージを受ける際の助成制度である
  • 当院では機能回復券2枚利用で50分間の全身調整が可能(自己負担600円〜)である
  • 症状が安定した寛解期は発作予防と疲労回復、急性期は刺激を抑えた施術が重要である
  • 吉野敏明先生が提唱する四毒(特定の食品)のコントロールは全身の炎症抑制に役立つ可能性がある
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