大腿骨骨頭壊死は薬が原因?鍼灸・指圧・マッサージの効果と注意点

大腿骨骨頭壊死は薬が原因?鍼灸・指圧・マッサージの効果と注意点

股関節の激痛に悩まされ、 鍼灸 指圧 マッサージといった方法で少しでも症状を和らげたいと情報をお探しではありませんか。
大腿骨骨頭壊死症は、股関節の骨頭が血流障害によって壊死し、痛みや歩行困難を引き起こす難病指定の疾患です。多くは原因不明とされる特発性ですが、実はステロイド剤や精神系薬剤などの特定の薬が血管を詰まらせ、壊死を引き起こす医原病である可能性が高いことが分かってきました。
本記事では、この病気の症状や原因を深く掘り下げるとともに、鍼灸治療や指圧、マッサージといった補完的なアプローチが、痛みの軽減や機能回復にどのように役立つのかを解説します。
特に、人工関節手術後のケアや、原因を除去しないと他の関節まで壊死する可能性があるという重要な注意点についても触れています。
壊死した骨は戻らないからこそ、鍼灸と西洋医学の連携を視野に入れ、この難病と向き合いながら、日常生活の質を維持していくための具体的なヒントを提供します。

この記事のポイント

  • 大腿骨骨頭壊死の症状、難病指定の概要、および進行度別の具体的な状態
  • この病気がステロイド剤などの薬が原因である可能性が高い医原病であるという事実
  • 鍼灸やマッサージ・指圧が、痛み軽減や機能維持のリハビリとして役立つ役割と限界
  • 壊死の原因除去の重要性、手術後のケア、および機能回復券の活用方法
目次

股関節の激痛!大腿骨骨頭壊死の症状と原因

股関節が痛くてつらそうな女性

大腿骨骨頭壊死とは?難病指定の概要

大腿骨骨頭壊死とは、股関節を構成する大腿骨の先端部分(骨頭)の組織が、血流障害によって壊死してしまう病気を指します。壊死とは、骨の細胞が死んでしまう状態です。通常、この壊死によって骨頭が陥没したり変形したりすると、股関節の機能に重大な障害を引き起こします。これがこの疾患の最大の問題点です。本来、骨組織には血液が豊富に供給されており、栄養や酸素を受け取ることで新陳代謝が繰り返されています。しかし、何らかの原因で骨頭への血流が途絶えると、その部分の骨は壊死してしまうのです。現在の日本では、この病気は特定疾患(難病)に指定されており、診断基準を満たし、重症度分類で一定以上に該当すれば、医療費の助成を受けられる可能性があります。また、多くの場合、この難病指定により、患者さんは身体障害者手帳の交付や、リハビリテーションに関するサービスを受けられる「機能回復券」の対象となる場合があります。このように、単に骨が壊死するだけでなく、患者さんの生活の質(QOL)や経済的な負担にまで影響を及ぼす重大な病気であると理解してください。いくら早期発見が望ましいと言っても、初期段階では自覚症状がない場合も多く、進行してから気づくことが多いのもこの病気の厄介な側面です。


股関節が痛い!進行度別の主な症状

大腿骨骨頭壊死の症状は、病気の進行度(ステージ)によって大きく異なります。初期段階、特に壊死が始まったばかりのステージ0や1では、自覚症状がほとんどないことが多く、他の疾患の検査で偶然発見されるケースもあります。しかし、壊死部分が進行し、骨頭が陥没し始めるステージ2や3に移行すると、股関節の痛みが主な症状として現れてきます。最初は、歩いているときや階段を登ったり降りたりする時など、股関節に体重がかかる動作時に痛みを感じるのが一般的です。その痛みは、大腿部や膝、臀部(おしり)にまで広がることもあります。このような状態が続くと、患者さんは痛みを避けるために無意識に足を引きずる「跛行(はこう)」を呈するようになります。そして、さらに病気が進行し、骨頭の変形や関節の破壊が進んだステージ4では、じっとしていても痛みが持続するようになります。この持続的な痛みのために、鎮痛剤が必要となることも少なくありません。また、変形に伴って股関節の動く範囲(可動域)が狭くなり、靴下を履く、爪を切るなどの日常生活動作にも支障をきたすようになるのです。多くは、手術を検討する段階に達していることから、早期の段階で異常に気付くことが非常に重要です。


特発性大腿骨骨頭壊死は薬が原因の医原病

「特発性大腿骨骨頭壊死症」の「特発性」とは、「原因がはっきりしない」という意味合いで使われてきました。しかし、この病気の原因はもはや「不明」ではないと考えています。なぜならば、厚生労働省が過去にまとめた「重篤副作用疾患別対応マニュアル」などから、特定の薬剤の副作用によってこの疾患が引き起こされていることが明確になっているからです。言ってしまえば、これは医原病(医学的な行為が原因となって起こる病気)の一つであると断言できます。その主な原因となるのは、合成副腎皮質ホルモン製剤(ステロイド)の大量投与長期使用です。また、これ以外にも免疫抑制剤ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤などの精神系薬剤が原因として挙げられています。これらの薬剤が血管にダメージを与え、大腿骨頭への動脈性の虚血(血液が来ない)や静脈性の還流障害(血液が戻らない)といった循環障害を引き起こし、骨の壊死に至るというメカニズムが考えられています。特にステロイドは、目薬から皮膚の軟膏まで、非常に多くの市販薬や処方薬に含まれており、広く使われているため、年間2,000人から3,000人という発生数も決して不自然な数字ではありません。しかし、厄介なことに、薬を投与してから大腿骨頭壊死の発症までに数カ月から1年程度の時間差がある場合もあり、患者さんが薬の使用と病気との因果関係に気づきにくいのです。このため、原因が分からず「特発性」とされてしまうケースも多いと考えられます。

血管を詰まらせる!壊死を引き起こす薬とは

大腿骨骨頭壊死を引き起こす主な原因として、特定の薬剤が関与していることは、もはや看過できない事実です。これらの薬は、大腿骨頭への血流を妨げ、最終的に骨組織の壊死を招く作用があると考えられています。中でも筆頭に挙げられるのが、合成副腎皮質ホルモン製剤、すなわちステロイドです。大量投与や長期にわたる使用によって、ステロイドは血管にさまざまな悪影響を及ぼし、血液の循環を障害することが知られています。特に、骨頭への動脈の閉塞や、静脈の還流障害(血液がスムーズに戻れなくなること)といった虚血性の病変を引き起こすことが、壊死のメカニズムとして有力視されています。また、抗生物質の一部、具体的にはポリペプチド抗生物質も原因となる可能性が指摘されています。加えて、免疫抑制剤も、その作用機序から血管関連の副作用を引き起こすリスクがあり、壊死の原因物質として厚生労働省のマニュアルにも記載されています。そしてもう一つは、ソマトロビンのようなホルモン補充療法に用いられる薬剤です。成長ホルモン製剤なども、血管にダメージを与える可能性があり、他のホルモン補充療法(例えば、アナボリックステロイド女性ホルモン補充療法、糖尿病のインシュリン治療など)と同様に、血流障害を引き起こし、壊死のリスクを高めると考えられています。これらの薬剤は、血管をボロボロにし、血液の流れを悪くすることで、骨頭に栄養と酸素が行き渡らなくさせるのです。

大腿骨骨頭壊死を起こす可能性がある薬

この表は、原因として疑われる薬剤その一般的な働きを示したものであり、すべての薬剤が必ず壊死を引き起こすわけではありません

薬剤の分類主な薬剤名 (成分名) / 商品名例薬剤の働き(作用)
副腎皮質ホルモン製剤 (ステロイド)プレドニゾロン (プレドニン) / ベタメタゾン (リンデロン) / その他多くの内服薬・注射薬・外用薬免疫を抑制する作用、強い抗炎症作用。さまざまな自己免疫疾患やアレルギー疾患、炎症性疾患の治療に用いられる。
免疫抑制剤シクロスポリン / タクロリムス免疫細胞の働きを抑制し、臓器移植後の拒絶反応抑制や、重症な自己免疫疾患の治療に用いられる。
精神系薬剤ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤 (トリアゾラムなど)中枢神経に作用し、不眠症の改善や鎮静・抗不安作用をもたらす。
抗生物質ポリペプチド系抗生物質細菌の増殖を抑え、感染症の治療に用いられる。(データAで言及あり)
ホルモン製剤ソマトロビン (遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤) / アナボリックステロイド成長促進、または筋肉増強などの目的で使用される。血管系にダメージを与えるリスクが指摘されている。(データAで言及あり)

ステロイド剤と精神系薬剤の恐ろしい関連性

前述の通り、大腿骨骨頭壊死を引き起こす原因薬剤として、ステロイドと特定の精神系薬剤は特に重要な位置を占めます。この二種類の薬剤は、非常に広範囲の疾患に使用されているため、日本人においては使用経験がある人が極めて多いと考えられます。まずステロイドですが、これは抗炎症作用や免疫抑制作用を持つため、皮膚疾患から重度の自己免疫疾患まで、頭の上から目薬、軟膏、内服薬として広く利用されています。もはや、市販の薬の中にも含まれていることが多く、その使用頻度は計り知れません。このように大量かつ広範囲に使われている薬であるからこそ、その副作用として大腿骨骨頭壊死が発生する頻度も高くなるのは当然の結果と言えるでしょう。一方、ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤などの精神系薬剤も、この壊死の原因として厚生労働省によって明記されています。現代社会において、不眠や精神的な不調を抱える人は増加しており、これらの精神系薬剤の使用数もまた膨大です。このような状況を考えると、年間数千人規模で特発性大腿骨骨頭壊死の患者が発生することは、むしろ少ないくらいかもしれない、という恐ろしい考えに至ります。多くは、原因不明とされている患者さんの中に、これらの薬剤を過去に使用した記憶を失っている人が相当数含まれていると推察されるのです。

症状が出るまでに時間差があることに注意

大腿骨骨頭壊死の診断や原因特定を困難にしている大きな要因の一つが、原因となる薬剤の使用と症状発現までの間に長い時間差があるという点です。例えば、ステロイド薬を大量に投与した場合、その後に大腿骨頭壊死を発症するまでには、一般的に3カ月から6カ月ほどのスパンが開くことが推察されています。これは、血流障害が起こってから骨組織が実際に壊死し、骨頭が陥没して痛みを伴う特異的な所見が見つかるまでに、それだけの時間がかかるということです。また、ある臨床例では、SLE(全身性エリテマトーデス)の治療でステロイドの大量投与を受けた30歳の女性が、治療後約1年たってから大腿骨頭壊死と診断されたケースも報告されています。このように、症状がすぐに出ないために、患者さんは「昔使った薬」と「現在の股関節の痛み」を結びつけて考えることが非常に難しくなります。その結果、「原因不明」という診断になりやすく、結果的に医原病であるにもかかわらず「特発性」という名称が使われ続けてしまう一因となっています。繰り返しますが、原因を特定するためには、患者さん自身が過去1年程度の薬剤使用歴を注意深く振り返り、医師や施術者へ正確に伝えることが極めて重要です。

痛みを和らげる!大腿骨骨頭壊死への鍼灸・指圧・マッサージ

鍼灸治療で大腿骨骨頭壊死の痛みを軽減

大腿骨骨頭壊死に対する鍼灸治療は、西洋医学的な標準治療を補完する補完代替医療として位置づけられています。その主な目的は、何よりも疼痛の緩和股関節機能の維持・改善を目指すことです。鍼灸治療では、股関節周囲の緊張している筋肉や関連する経筋(東洋医学でいう筋肉や腱)に対してアプローチします。この刺激によって、硬くなった筋肉が緩み、局所の血流が改善されることが期待できます。これは、壊死の原因である循環障害とは異なるアプローチですが、痛みを軽減する上で非常に有効です。なぜならば、壊死による骨の痛みだけでなく、痛みからかばうことによって生じる周囲の筋肉の緊張が、さらなる痛みを引き起こしているケースが多いためです。また、鍼灸は身体が本来持っている自己治癒力を高める作用もあると考えられています。特に中国など海外では、漢方薬(中薬)と鍼やお灸を組み合わせた治療法が有効であったという臨床研究の報告もあります。ただし、もちろん鍼灸治療だけで壊死した骨組織を元通りに修復することはできません。あくまで、保存療法の一つとして、患者さんの苦痛を和らげ、リハビリテーションを行いやすい状態に整える役割を担っていると理解することが重要です。

機能改善を目指す鍼灸と西洋医学の連携

大腿骨骨頭壊死の治療を成功に導くためには、鍼灸治療西洋医学との緊密な連携が不可欠です。西洋医学では、壊死の進行度(ステージ)に基づき、荷重制限や薬物療法といった保存療法、あるいは骨切り術や人工股関節置換術といった手術療法が標準治療として行われます。特に進行期では手術が最も重要な選択肢となりますが、鍼灸治療は、手術をせずに進行を遅らせたい場合や、手術後のリハビリ期間において大きな役割を果たすことが期待されます。鍼灸が機能改善を目指すのは、股関節の可動域制限跛行といった症状に対してです。関連する筋肉群に施術することで、関節の動きを妨げている要因を取り除き、関節の動きをスムーズにすることを目指します。そのため、鍼灸治療を受ける際は、必ず整形外科医による正確な診断と治療方針を把握し、その情報を鍼灸師と共有することが最も望ましいのです。このような連携体制があれば、鍼灸師は患者さんの現在の病態や、骨頭への負担をかけてはいけない状況を正確に理解した上で、安全かつ効果的な施術を行うことが可能になります。患者さんにとって最もメリットがあるのは、それぞれの専門分野の強みを活かし、治療を進めることなのです。

マッサージ・指圧はリハビリの一環と考える

大腿骨骨頭壊死に対するマッサージや指圧は、壊死した骨そのものを「治療」し、元通りにする直接的な治療法ではないことをまず認識しておく必要があります。これらの手技は、あくまで痛みを軽減し、股関節周辺の機能を維持・改善するためのリハビリテーションの一環として考えるべきです。マッサージや指圧の目的は、股関節周辺の血行を促進し、痛みのために過度に緊張している筋肉のハリやコリを緩和することにあります。これにより、痛みが和らぎ、患者さんが日常生活を送りやすくなったり、理学療法士の指導のもとで行う運動療法に取り組みやすくなったりするという間接的なメリットが生まれます。しかし、注意しなければならないのは、施術者が病態を理解せずに壊死部に強い圧をかけたり、無理に関節を動かしたりすると、かえって骨頭の陥没を進行させてしまうリスクがあることです。このため、施術を受ける際は、必ず整形外科の診断内容を伝え、壊死の範囲や進行度を理解している専門家のもとで、穏やかな手技を受けてください。また、マッサージ・指圧を含むリハビリと並行して、水中ウォーキングや自転車エルゴメーターなど、股関節に大きな負担をかけない運動療法を取り入れることも、機能維持のために非常に有効であるとされています。

壊死した骨は戻らない!治療の目的と注意点

大腿骨骨頭壊死の治療において、まず認識しておくべき重要な事実は、一度壊死してしまった骨組織は自然には元に戻らないということです。骨頭壊死は、血流が途絶えた結果、骨の細胞が死んでしまう現象であり、この死んでしまった部分の骨が再生して元の健康な状態に戻ることは、現在の医学では極めて困難とされています。このため、大腿骨骨頭壊死の治療の目的は、痛みをコントロールすること、そして壊死した骨頭の変形や陥没の進行を食い止め、股関節の機能を可能な限り維持することに集約されます。保存療法を選択する場合、最も重要な注意点は、壊死部に体重による大きな負担をかけないようにすることです。多くは、杖の使用や長距離の歩行を避けるといった荷重制限が指導されます。特に、深くしゃがむ、前屈するなど股関節を深く曲げる姿勢は、壊死部に大きな圧力がかかりやすいため、できるだけ避けるべきです。また、体重が重すぎると股関節にかかる負担が増大するため、体重のコントロールも極めて重要になります。いくら鎮痛剤で痛みを抑えたとしても、生活習慣や姿勢に注意を払わなければ、壊死は確実に進行し、最終的には人工股関節置換術などの手術が必要となる可能性が高まります。


原因を除去しないと他の関節も壊死する可能性

前述の通り、特発性大腿骨骨頭壊死の多くは、ステロイドや精神系薬剤といった医原病(薬剤の副作用)によるものと考えられています。この原因に対する認識と対処が不十分な場合、一つの関節が壊死したとしても、別の関節、例えば反対側の股関節や膝、さらには上腕の骨頭にも壊死が併発する可能性があるため、極めて注意が必要です。なぜならば、壊死を引き起こした原因、すなわち血管にダメージを与え、循環障害を起こしている薬剤や、それを必要とした根本の疾患(例:自己免疫疾患)が体内に残ったままだからです。もし一度大腿骨骨頭壊死と診断されたなら、まずは直ちに原因と疑われる薬剤の使用状況を見直すことを強く推奨します。もちろん、自己判断で薬を中止することは危険ですので、必ず処方医と相談し、代替薬への変更や減量などを検討する必要があります。これまでの報告では、大腿骨の骨頭壊死に加えて、上腕骨頭(肩の関節)や膝関節周辺にも壊死が併発することがあるとされています。したがって、単に痛みのある股関節の治療に終始するのではなく、身体全体の循環器系や過去の薬剤使用歴に焦点を当て、原因そのものを除去するという視点を持つことが、再発や多発を防ぐために最も重要になるのです。


人工股関節手術後の原因除去と機能回復

大腿骨骨頭壊死が進行し、骨頭の変形や破壊が著しい場合、最終的に人工股関節置換術が選択されることが多くなります。この手術によって、壊死した骨頭は人工のものに置き換えられ、激しい痛みは劇的に軽減されます。しかし、手術が成功したからといって、そこで治療が終わるわけではありません。繰り返しますが、この病気の根底にある原因が薬剤であるならば、手術後であっても、その原因薬剤の使用を継続している場合、他の関節が次に壊死するリスクは依然として残るからです。そのため、手術によって痛みが取れたとしても、原因薬剤の特定と除去を諦めてはいけません。そこで重要となるのが、術後のリハビリテーション生活習慣の見直しです。人工関節の機能を最大限に引き出し、長期にわたって安定して使用するためには、専門家(理学療法士など)による適切なリハビリが不可欠です。また、鍼灸やマッサージは、人工関節周囲の筋肉の緊張を緩和し、リハビリの補助的な役割を果たすことができます。多くの患者さんは手術で痛みがなくなると満足してしまいますが、本当に目指すべきは、原因を根本から断ち、残りの関節の健康を守りながら、可能な限り健常者に近い機能回復を達成することなのです。

人工関節手術後こそ!機能回復券を活用しよう

人工股関節置換術を受けられた後の容体が良好で、不自由なく生活されていることは、多くの患者様にとって大変喜ばしいことです。しかし、前述の通り、手術によって痛みが解消され、日常生活が楽になったとしても、そこで治療が完全に終了したわけではありません。体内に壊死を引き起こした根本的な原因が残っている可能性があるからです。多くの大腿骨骨頭壊死の患者さんは、薬の副作用による医原病の側面が強いと推察されます。もし原因薬剤の特定と使用中止が不十分なままであれば、逆の股関節や他の関節にも将来的に壊死が併発するリスクは残ってしまうのです。そこで、ぜひ活用していただきたいのが、豊島区独自の福祉サービスである機能回復券です。この券は、股関節機能を最大限に回復・維持し、さらに全身の血流改善や筋肉の緊張緩和を通じて、再発や新たな壊死の予防を目指すためのサポートとして利用できます。鍼灸やマッサージといった施術は、手術後のリハビリを補助し、人工関節周囲の筋肉を柔らかく保つことで、長期にわたる人工関節の安定した機能に寄与します。そのため、人工関節の手術を受け、日常生活を問題なく送れている「今」だからこそ、将来の健康を守るための予防的なケアとして、この機能回復券を積極的にご利用ください。

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大腿骨骨頭壊死への鍼灸・指圧・マッサージの役割と原因の総括

  • 大腿骨骨頭壊死は血流障害で骨頭組織が壊死する難病指定の特定疾患である
  • 病気の進行により、歩行時痛から安静時痛、跛行へと症状が悪化する
  • 「特発性」とされてきたが、多くは特定の薬剤が原因の医原病だと判明している
  • 壊死の主な原因薬剤は、ステロイド、免疫抑制剤、一部の抗生物質、精神系薬剤などである
  • これらの薬剤は血管にダメージを与え、骨頭への血流を妨げ壊死を引き起こす
  • ステロイドや精神系薬剤は広範囲に使われており、発症者が多い背景にある
  • 薬剤の使用から症状発現までに数カ月から1年程度の時間差が生じることがある
  • 鍼灸治療は疼痛緩和と股関節機能の維持・改善を目的とした補完的な治療法である
  • 鍼灸は股関節周囲の筋肉の緊張を和らげ、局所の血流を改善する効果が期待される
  • マッサージや指圧は壊死した骨を治すものではなく、リハビリテーションの一環である
  • 施術時は壊死部に強い圧をかけないよう、専門家との連携が不可欠である
  • 一度壊死した骨組織は自然には元に戻らないため、治療は進行抑制と機能維持が目標である
  • 原因薬剤を除去しないと、他の関節に壊死が併発する可能性がある
  • 人工関節手術後も、原因の特定と除去、機能回復のためのリハビリ継続が重要である
  • 豊島区の機能回復券は、人工関節手術後の予防的なケアとしても活用できる
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