生理痛の根本原因と四毒対策!鍼灸・指圧マッサージで痛みを克服

生理痛の根本原因と四毒対策!鍼灸・指圧マッサージで痛みを克服

「生理痛 鍼灸 指圧マッサージ」というキーワードでこのページにたどり着いたあなたは、単なる痛みの緩和ではなく、長年の生理痛を根本から解決したいと強く願っていることでしょう。
毎月のつらい痛みがなぜ起こるのか、そしてその痛みがなぜ年々ひどくなるのか—。
現代医学における標準治療の考え方に加え、本記事では、生理痛を「月経炎症性体質」という慢性的な体の問題として捉え、そのメカニズムを深く掘り下げていきます。特に、鎮痛剤(NSAIDs)の常用が痛みの体質化や炎症の連鎖を引き起こし、かえって症状を悪化させる「医原病の可能性」や、不妊につながるリスクについても詳しく解説します。
さらに、吉野敏明先生が警鐘を鳴らす、現代人の食生活に潜む「四毒」が生理痛に与える影響を解説し、最も影響力の強い乳製品植物性の油甘い物の摂取が子宮やホルモンにどのように作用するのかを解明します。
理想的な健康な月経とは何か、月の引力が生殖周期に与える規則性、そして安保徹教授の説く「病気の3過ぎ」が自律神経と血流を乱すメカニズムを知ることで、生理痛の根本原因が見えてくるはずです。
そして、薬に頼らず、生理痛を根本から改善し、痛みがない体質を取り戻すための具体的なアプローチとして、鍼灸治療や指圧マッサージが果たす役割と、日々のセルフケアに役立つ知恵をご紹介します。
痛みのない、健やかな日々を取り戻すための道筋が、ここにあります。

この記事のポイント

  • 鎮痛剤の常用が生理痛を悪化させる「痛みの体質化」のメカニズムと、医原病のリスク
  • 乳製品、植物油、甘い物といった「四毒」がホルモンバランスと血流を乱す具体的な食生活の問題点
  • 月の引力や規則正しい生活が女性ホルモンの分泌サイクルを司るメカニズム
  • 鍼灸治療や指圧マッサージが自律神経と子宮周辺の血流を整え、根本的な体質改善を目指す役割
目次

生理痛と鍼灸指圧マッサージ:痛みを激しくするメカニズムの解明

生理痛とは?その原因と昔の女性の月経の知恵

多くの女性が生理中に経験する腹部の痛みや腰の重さを「生理痛」と言いますが、医学的には月経困難症と称されます。これは、子宮内膜が剥がれ落ちる際に放出されるプロスタグランジンという物質が、子宮を過度に収縮させるために起こるものです。ただ、痛みが軽い場合は市販の鎮痛剤で対処できますが、日常生活に支障をきたすほど強い痛みや、鎮痛剤が効かない状態が続く場合は、子宮内膜症などの病気が潜む「器質性月経困難症」の可能性があります。一方、特に病気がないのに痛みがある場合は「機能性月経困難症」と分類され、生活習慣や自律神経の乱れが大きく関わってきます。ここで、吉野先生は、本当に健康な状態であれば、月経は半日で終わり、出血量もごくわずかであると述べています。これは、体内の炎症レベルが低く、血流がスムーズである状態を指すのです。そして、この理想的な状態を保つために、古くから女性は月経期間を意識的に体調を整える期間として捉えてきました。本来は、月経期間は冷えやストレスを避けて静かに過ごし、体の自然な排泄リズムを乱さないように工夫を重ね、自然な排泄を促す期間だったのです。

江戸時代などの昔の女性

生理用品の歴史から見る現代の月経事情

生理痛の問題を考える上で、生理用品の歴史は無視できない視点を提供してくれます。近代以前の女性、特に江戸時代までは、和服を着て内股で歩く姿勢や腰巻きの着用により、経血が不意に漏れないよう体をコントロールし、排尿時などに溜めた経血を意識的に排出していました。この生活様式のおかげで、月経期間はわずか2日間程度で、出血量もごく少量であったと言われています。

しかし、この状況は明治時代に洋服が普及し始めると一変します。特に、皇族や上流階級の女性が和服からドレスへと切り替えた際、ペチコートのついた幅広いスカートなどを着るようになると、経血が漏れる問題が深刻化しました。これにより、皇室や上流階級の女性の間で、西洋から入ってきたナプキンが初めて使われ始めたと言われています。この変化は、経血を「外に出す」生活から「体内に留める」生活への転換点となりました。

そして、決定的な変化は戦後に訪れます。この時期に小麦、植物性の油、牛乳乳製品といった「四毒」に分類される食品を食べる人が爆発的に増えたことで、出血量が多い人が増加し、使い捨て生理用品の需要が拡大したのです。昭和30年代に入ると、使い捨ての生理用品(ナプキン)が生まれ、女性が社会で働くようになって会社に行くようになると、これが爆発的に普及しました。これは非常に便利なことですが、その一方で、長時間経血を体内に留め置く時間が長くなったこと、そして漏れの心配から無意識に腹部に力を入れて緊張させ続けることが、子宮周辺の血流をさらに悪化させている可能性も指摘されています。いくら高品質な製品であっても、経血は体外に出すべきものですから、現代の女性には、進化した生理用品の利便性を享受しつつも、昔の知恵のように体を労り、血流を意識的に良くする工夫が必要になっていると言えるのです。

ペチコートのついた幅広いスカートなどを着た女性

標準治療と鎮痛剤の常用が招く医原病の可能性

現代医学における生理痛の標準治療の一つは、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、つまり鎮痛剤の使用です。この鎮痛剤は即効性があり、急性期の痛みを和らげる効果は高いです。しかし、多くの専門家が警鐘を鳴らすのが、鎮痛剤を「痛み止め」として常習的に服用することのリスクです。まず、鎮痛剤は炎症を抑える作用がある一方で、胃腸の粘膜を荒らしたり、肝臓や腎臓に負担をかけるデメリットがあります。そしてもう一つは、痛みの体質化という現象です。痛みが起こるたびに薬で蓋をし続けると、脳が痛みの信号に対して過敏になり、わずかな刺激でも強い痛みとして認識するようになってしまいます。さらに、鎮痛剤はプロスタグランジンの生成を抑えますが、この物質は子宮収縮だけでなく、本来は胃粘膜の保護や血流の調節にも必要なものです。そのため、常用することで本来の体の防御反応まで抑え込んでしまい、結果的に体の免疫システムや自然治癒力が低下し、別の不調や病気を招く医原病につながる可能性も否定できません。痛みは体からの「血流を良くしなさい」「休みをとりなさい」というメッセージだと捉え、薬を飲む前に生活習慣を見直すことをお勧めしたいです。

痛みの体質化と月経炎症性体質への移行

生理痛が一時的な不調ではなく、毎月ひどくなる、あるいは慢性化してしまう現象を、「痛みの体質化」と呼んでいます。これは、単に体の痛みが強くなるだけでなく、痛みに対する脳の認識や体が持つ炎症反応のシステムが変化してしまうことを意味します。詳しく言えば、痛みの情報が繰り返し脳に送られることで、神経回路が過敏になり、通常であれば無視できる程度の刺激でも強い痛みとして処理されるようになってしまうのです。そのことに加え、現代の生活習慣、特に食生活の乱れやストレスが深く関わって、「月経炎症性体質」へと移行していきます。この体質は、本来、月経時に一時的に起こる炎症反応が過剰になり、体全体が常に軽い炎症状態にあるようなものです。このような状態にあると、子宮内膜が剥がれる際に放出されるプロスタグランジンなどの炎症物質が、通常よりも大量に放出されやすくなります。さらに悪いことに、血流の悪さや自律神経の乱れが加わると、炎症物質の処理が遅れ、それがまた次の炎症を引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。もしかしたら、長年生理痛に悩まされているあなたは、すでにこの月経炎症性体質になっているかもしれません。この体質を変えるには、根本的な生活習慣の見直しと、体の免疫・自律神経を整えるアプローチが必要になります。

鎮痛剤が痛みを激しくするメカニズム

前述の通り、市販されているイブ、ナロンエース、ロキソニン、ボルタレンといった鎮痛剤は、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれています。これらの薬が痛みを止めるのは、主にシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素をブロックし、痛みの原因物質であるプロスタグランディンE2(PGE2)の生成を一時的に止めるためです。しかし、このPGE2は、子宮を収縮させることで痛みを出しますが、一方で子宮や卵巣の粘膜を保護・修復し、受精卵を迎える準備をするという重要な役割も担っています。いくら急な痛みを抑えたいからといって、これを常用し、人工的にPGE2を抑え込み続けると、体は「もっと作らなければ」と防御的に反応し、逆にCOXを出す遺伝子がさらに活性化してしまいます。その結果、より多くの鎮痛剤を飲まないと効かなくなり、次第に痛みに敏感な体質、つまり痛みの体質化へと移行してしまうのです。さらに深刻な問題は、炎症の慢性化です。鎮痛剤によってPGE2への道がブロックされると、植物性の油(特にリノール酸)から体内で変換されたアラキドン酸は、ロイコトリエンという別の物質へ変換されてしまいます。このロイコトリエンは、血管や子宮の平滑筋を強く収縮させ、最終的にTNF-αやIL-6(インターロイキン6)などの炎症性サイトカインを誘導します。こうして、鎮痛剤が効かなくなるだけでなく、体の奥で慢性炎症が慢性化し、結果として月経炎症性体質になってしまうという、非常に悪循環なメカニズムが形成されてしまうのです。

慢性炎症が引き起こす不妊につながる炎症の連鎖

生理痛が単なる「痛み」の問題ではなく、「慢性炎症」の問題として捉えられ始めたとき、その影響は単に月経期間の不快感にとどまらないことがわかります。生理痛の背後にある慢性的な炎症状態は、子宮や卵巣といった生殖器周辺に、じわじわとダメージを与え続けます。例えば、子宮内膜症は、本来子宮内にあるべき内膜組織が子宮外で増殖し、月経のたびに炎症を起こす病気ですが、この内膜症自体が慢性炎症によって悪化することが知られています。この炎症が卵管や卵巣に及ぶと、組織が癒着したり、卵管が詰まったりする不妊につながる炎症の連鎖を引き起こす危険性があります。炎症は卵子の質ホルモンの働きにも影響を与えるため、妊娠しにくい体質を作り上げてしまうことも考えられます。この連鎖を加速させる要因としては、鎮痛剤の常用や安保徹先生が指摘する「3過ぎ」のような生活習慣が挙げられます。なぜなら、血流が悪化し、自律神経が乱れると、体は炎症を鎮めるための免疫力を十分に発揮できなくなるからです。しかし、ここで注目すべきは、体の遠隔地の炎症がこの連鎖に影響を及ぼすという事実です。慢性炎症の元を絶つという観点から、歯周病の治療をちゃんとすることや、親知らず(特に埋伏しているもの)を抜いておくことが、非常に重要になってきます。口腔内の細菌による炎症が血液を通じて全身に回り、子宮周辺の慢性炎症を悪化させる一因となるのです。あなたが将来的に妊娠を望んでいるのであれば、生理痛を「いつものこと」として放置せず、口腔内のケアも含めて炎症を根本から断ち切るための体質改善を始めることが、非常に重要なのです。

生理痛を根本改善する鍼灸・指圧マッサージと生活習慣

健康な月経とは?月の引力と生殖周期の規則性

そもそも健康な月経とは、痛みや不快感がほとんどなく、精神的にも安定して過ごせる状態を指します。理想的な月経周期は、月の満ち欠けのサイクル、約28日に近い規則性を持つものです。古くから、女性の生殖周期と月の引力には関連があると考えられてきましたが、これには明確なメカニズムが存在しています。地球と月は互いに引力を及ぼし合いながら楕円軌道で回っており、この引力の変化は潮の満ち引きと同じように、人間の体内の水分バランスや細胞にわずかながら影響を与えています。この引力の変化(電磁波)を体がセンサーで感知しており、その中心となるのが脳の松果体です。松果体は、この重力の電磁波を電流という電磁波に変換し、それが視床下部を通って脳下垂体に伝達されます。その情報を受け取った脳下垂体が、卵胞刺激ホルモン黄体刺激ホルモンといった重要なホルモンを出し、月経周期がコントロールされているのです。そして、この繊細なシステムを調節する上で重要なのが、光の要素です。月経周期を整えるためには、朝起きて太陽の光(夜明けの光)を見ることが大切です。これは、青い光が松果体を覚醒させ、生体リズムをリセットする作用があるからです。逆に、夜はスマートフォンなどのブルーライトを見るのをやめる必要があります。夜間のブルーライトは松果体の働きを乱し、規則正しいホルモン分泌を妨げます。このように、自然のリズムに合わせた規則正しい生活を送ることが、何よりもホルモンバランスを整え、健康で痛みがない月経を取り戻すための土台作りになるのです。

安保徹教授の病気の3過ぎの影響と規則正しい生活の重要性

免疫学者である安保徹教授は、病気の原因を突き詰めた結果、現代人の病気の多くは「働きすぎ」「悩みすぎ」「薬の飲みすぎ」という3つの「〇〇しすぎ」にあると説きました。この理論は、生理痛の根本原因を理解する上でも非常に重要です。なぜならば、この3つの「しすぎ」は、すべて自律神経の乱れを引き起こすからです。特に働きすぎや悩みすぎは、常に体を緊張状態に置き、活動時に優位になる交感神経を過度に緊張させます。交感神経が優位になると、血管が収縮し、末端や内臓、特に子宮周辺の血流が著しく悪化します。血流が悪くなると、痛みの原因物質が滞りやすくなり、生理痛が激しくなってしまうのです。一方で、リラックス時に優位になる副交感神経が正常に働いている状態では、血管が広がり、血流が良くなるため、老廃物や炎症物質がスムーズに排出されます。したがって、生理痛の改善には、規則正しい生活の中で意識的にリラックスする時間を作り、自律神経のバランスを整えることが不可欠です。夜は早めに休息をとり、趣味を楽しむなどして、交感神経の緊張状態を和らげてあげることが、薬に頼らない体を作る第一歩となるのです。

生理痛に最も影響する「四毒」と食生活の改善

生理痛や出血過多、血腫、月経周期の不安定さ、無月経といった女性特有の月経周期における不調は、多くは食べたものでなる病気だと言われています。特に、吉野敏明先生の理論で指摘されている「四毒」(小麦、植物性の油、牛乳乳製品、甘い物)の摂取は、体に慢性的な炎症を引き起こし、「月経炎症性体質」へと移行させる最大の要因となります。その中で、生理痛に最も影響を与える四毒の順番とメカニズムを理解することが重要です。最も影響が大きいのは乳製品です。特にチーズやヨーグルトは要注意で、牛乳そのものよりもこれらの加工品に注意が必要です。その理由は、乳製品にはエストロゲン(女性ホルモン)が含まれており、毎日摂取し続けると、本来月の引力による周期で増減すべきホルモンレベルが平坦化されてしまうからです。ホルモンの増減の乱れは、月経周期全体を不安定にするため、まず乳製品を完全にやめてください。次に影響が大きいのが植物性の油です。子宮内膜には唾液腺や乳腺と同じように腺がたくさんあり、毛細血管から絞り出された汁を出しています。この子宮内膜の腺が、植物性の油で詰まってしまうのです。油で詰まると血流が悪くなり、子宮内膜は剥がれ落ちる際に血管の数を増やして何とか血流を流そうとします。その結果、剥がれ落ちる時に大量に出血(過多月経)を引き起こします。対策として、健康に良いとされるオリーブオイルや亜麻仁油も含め、すべての精製した植物性の油をやめる必要があります。そして、三番目に影響するのが甘い物です。甘いものは血管の内皮を壊し、全身の炎症を非常に強くします。例えば、関節リウマチの人が果物やケーキを食べると痛みが強くなるのと同じ原理です。特に油が入ったケーキやクッキーなどは、油と甘い物の相乗効果で炎症を激しくするため、これも避けるべきです。小麦については、子宮内膜やホルモンに直接的な関係はあまりないとされていますが、上記の3つをやめることで、結果として小麦の摂取量も自然に減ることが多いです。実際、この3つを厳格にやめた結果、生理が軽くなった、全くなくなった、出血量が少なくなったという方が多いのです。

生理痛に最も影響を与える牛乳乳製品

四毒以外に気をつけたいその他の食生活に関する注意点

前述の通り、生理痛の根本原因となる「四毒」を避けることが最も重要ですが、それ以外にも、生理痛を悪化させないために気をつけたい食の要素は数多く存在します。まず、体を冷やす食材についてです。いくら栄養価が高い食べ物であっても、体を冷やす性質のある食材を日常的に摂取していると、内臓の冷えを招き、子宮周辺の血流をさらに悪化させてしまいます。例えば、トマトはその代表的な例で、体を冷やす作用が強いため、生理痛が激しい方はトマトジュースや野菜ジュース、トマトソースの煮込み料理など、トマトを含む食品は極力避けてください。子宮疾患になりやすくなるリスクも指摘されています。逆に、大根のように体を温める性質を持つ根菜類を意識的に摂るようにしましょう。また、高年期症状についても、四毒の中でも特に乳製品と植物性の油が症状を非常に強くすることがわかっています。ホルモン補充療法は乳がんや卵巣がんのリスクを高めるデメリットがあるため、四毒をやめることで自然な力で乗り切るべきです。

他にも、豆乳の摂りすぎには注意が必要です。豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと構造式が似ているため、過剰摂取は成立を重くしたり、乳がんのリスクを高める可能性があります。大量の豆乳ラテなどは避けるようにしてください。そして、最も見落とされがちなのが、「噛む」という行為の重要性です。例えば、乳酸菌や納豆菌のサプリメントは噛まずに飲み込んでしまうため、本来の効果が十分に発揮されにくいというデメリットがあります。ぬか漬けや納豆をよく噛んで食べることで、唾液中の免疫物質であるIgAが食べ物によく混ざり、これが腸を守る重要な役割を果たすのです。食べ物をよく噛んでいないと、唾液中のIgAが食べ物にくっつかず、腸が栄養不良と判断して吸収する穴を大きく開けてしまい、これがリーキーガットの原因となるのです。そこから考えると、自然に近い状態の食材を選び、加工度の低いシンプルな食事を心がけることに加えて、一口三十回を目標によく噛むことが、体質改善の鍵となります。

根本解決を目指す鍼灸治療の役割

西洋医学が、痛みをプロスタグランジンという単一の物質の過剰な放出と捉え、鎮痛剤でその生成を抑えるアプローチを取るのに対し、鍼灸治療は、生理痛を体全体のバランスの乱れとして捉えます。東洋医学では、生理痛の多くを「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(水分)」の巡りの滞り、すなわち「瘀血(おけつ)」や「気滞(きたい)」として考えます。鍼灸治療の役割は、この滞った気血の流れを整えることで、体の持つ自然治癒力や免疫力を最大限に引き出すことです。例えば、生理痛に有効とされる「三陰交」や「関元」といったツボに鍼やお灸を施すことで、子宮周辺の血流を直接的に改善し、痛みの物質や老廃物の排出を促します。そして、同時に自律神経のバランスを整えるツボにもアプローチすることで、安保徹教授が指摘する「働きすぎ」「悩みすぎ」による交感神経の過緊張を緩和し、リラックスした状態へと導きます。このように、鍼灸治療は、痛みの原因物質をブロックするのではなく、痛みが起こりにくい体質そのものを目指す根本解決に特化した治療法であると言えるのです。

三陰交への鍼治療

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セルフケアにも役立つ指圧マッサージの役割

癒しの森では、鍼灸治療とともに指圧マッサージも生理痛の改善を目的として提供しています。指圧マッサージは、単に気持ちが良いリラクゼーションに留まらず、東洋医学に基づくツボの刺激を通じて、生理痛の根本原因である血流の悪化や自律神経の乱れにアプローチする、非常に有効な手段なのです。そもそも生理痛の多くは、子宮周辺の筋肉が緊張し、血管が収縮することで血流が悪くなることが原因で起こります。そこで、指圧によって深部の筋肉や筋膜に適度な圧をかけると、硬くなった組織が緩み、血管が広がり、滞っていた血液の流れが一気に改善されます。これにより、痛みの原因物質が速やかに体外へ排出されるよう促されるのです。また、指圧は「三陰交」や「関元」といった婦人科系のトラブルに効果的とされるツボを物理的に刺激するため、鍼に抵抗がある方であっても、鍼灸と同様の目的で体の内側から作用を促すことが可能です。特に、安保徹教授が指摘した「働きすぎ」や「悩みすぎ」による交感神経の過緊張は、指圧の心地よい刺激によって緩和され、リラックスをもたらす副交感神経を優位に立たせます。この自律神経の調整こそが、ホルモンバランスを整え、痛みを感じにくい体質へと変化させる重要な要素となります。さらに、施術者によるマッサージだけでなく、ご自宅でセルフケアとしてツボ押しを継続できる点も大きなメリットです。

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生理痛の根本改善に向けた鍼灸・指圧マッサージと体質改善の総括

  • 健康な月経は半日で終わり出血量もごくわずかであると吉野先生は提唱している
  • 江戸時代まで女性は腰巻きなどで股を締め経血を意識的に排出していた
  • 戦後の四毒(小麦・油・乳製品・甘い物)摂取の増加が出血量増加の主要因である
  • 現代の生理用品の長時間使用は経血の滞留を招き子宮周辺の血流悪化につながる
  • 月経周期は月の引力による電磁波を脳の松果体が感知しホルモン分泌を制御している
  • 朝の太陽光(青い光)を浴びることは月経周期を整えるために重要である
  • 安保徹教授の「働きすぎ・悩みすぎ・薬の飲みすぎ」は自律神経の乱れから生理痛を悪化させる
  • 生理痛に最も影響する食品は、ホルモンバランスを乱す乳製品(チーズ・ヨーグルト)である
  • 植物性の油は子宮内膜の腺を詰まらせ剥離時の出血量を増やしてしまう
  • 甘いものは血管内皮を壊し全身の炎症を強めるため油と組み合わせた食品は特に避けるべきである
  • トマトなど体を冷やす食品は生理痛や子宮疾患のリスクを高めるため控える
  • 食べ物をよく噛まないことが唾液中のIgA不足を招きリーキーガットの原因となる
  • NSAIDs(鎮痛剤)の常用はPGE2の過剰生成を促し痛みの体質化を招く医原病である
  • NSAIDsはアラキドン酸をロイコトリエンに変換させ慢性炎症を誘発・悪化させる
  • 鍼灸指圧マッサージは気・血・水の巡りを整え自律神経のバランスを調整する根本的な体質改善法である
著:浜 六郎
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生理痛を悪化させる可能性のある医原性の薬

【注意点】

ここに記載された薬は、病気の治療において非常に重要な役割を果たしています。薬が原因で生理痛が悪化する可能性はありますが、それはあくまで副作用や長期服用の影響であり、自己判断で服用を中止・変更することは危険です。
現在、これらの薬を服用中で生理痛にお悩みの方は、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。

1.生理痛と医原性の薬

分類一般名・製品名主なはたらき懸念されるリスク(吉野先生の指摘)
鎮痛剤(NSAIDs)イブプロフェン(イブ、リングルアイビー)、ロキソプロフェン(ロキソニンS)、アスピリン(バファリンA)、ジクロフェナク(ボルタレン)など痛みの原因物質PGE2の生成を一時的に抑制(COX酵素をブロック)1. 痛みの体質化(体がPGE2を過剰生成し、薬が効きにくくなる)2. 慢性炎症の誘発(アラキドン酸がロイコトリエンに変換され、炎症を悪化させる)
女性ホルモン製剤低用量ピル・LEP(ヤーズ、ルナベル、フリウェル)、ホルモン補充療法薬(HRT)など外部からのホルモン補充、または人工的なホルモン分泌制御1. 自然なホルモンサイクルの乱れ(ホルモンの増減が平坦化される)2. 婦人科疾患リスク(子宮体癌、乳癌など)の上昇

2. 血流・血管に作用する薬

生理痛の主要な原因の一つが子宮周辺の血流悪化(うっ血)であるため、血管を収縮させる作用を持つ薬は懸念されます。

分類一般名代表的な商品名作用と具体的な影響
血管収縮薬プソイドエフェドリン塩酸塩などパブロン、ストナ、コンタックなどの総合感冒薬・鼻炎薬の一部血管を収縮させる作用があるため、子宮周辺の血流も悪化させ、痛みを強める可能性がある。
抗凝固薬/抗血小板薬アスピリン(低用量)、ワーファリンなどバイアスピリンなど(処方薬)血液をサラサラにするため、生理痛自体は悪化させないが、月経時の出血量(過多月経)を増やすリスクがある。
偏頭痛治療薬トリプタン系製剤イミグラン、ゾーミッグなど(処方薬)偏頭痛治療のために脳血管などを収縮させる作用があり、子宮の血管にも作用し痛みを強める可能性がある。

3. ホルモンバランスに影響を与える薬

脳や甲状腺に作用することで、女性ホルモンの分泌リズムを乱し、月経不順や痛みを引き起こす可能性があります。

分類一般名代表的な商品名作用と具体的な影響
抗精神病薬・抗うつ薬リスペリドン、スルピリドなどリスパダール、ドグマチールなど(処方薬)特定の神経伝達物質に作用することで、プロラクチンというホルモンの分泌を増やし、月経不順や痛みの増悪につながることがある。
甲状腺ホルモン薬レボチロキシンナトリウムチラーヂンSなど(処方薬)女性ホルモンの代謝に甲状腺ホルモンが深く関わるため、バランスが不安定だと月経周期や痛みに影響を与えることがある。

4. 慢性炎症や消化器系に影響を与える薬

吉野先生の「四毒」理論や「リーキーガット」の議論とも関連しますが、長期的に腸内環境や免疫系に負担をかける薬は、間接的に慢性炎症を助長する可能性があります。

分類一般名代表的な商品名作用と具体的な影響
広範囲抗菌薬(抗生物質)各種抗生物質クラビット、フロモックスなど(処方薬)腸内細菌叢を大きく乱し、腸管のバリア機能を低下(リーキーガット)させることで、慢性炎症を助長する可能性がある。
胃酸分泌抑制薬オメプラゾール、ファモチジンなどガスター10など(市販薬・処方薬)長期服用により胃酸の分泌を抑えすぎることで、食物の消化・殺菌が不十分になり、栄養吸収不良や腸内環境の悪化を招く可能性がある。

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